このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
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チェルノブイリの祈り −未来の物語−
【著者】 スベトラーナ・アレクシエービッチ 【装丁】 岩波現代文庫 311頁
【価格】 1040円+税 【発行】 2011年6月
1986年4月26日午前1時23分、ウクライナにあるチェルノブイリ原発4号炉の原子炉と建屋が崩壊した。人口1000万人の隣国ベラルーシにとって、事故は国民的な惨禍となった。今でも国民の5人に1人が汚染地帯に住んでいる。失われた農業用地は264,000ヘクタール、森の26パーセントと川沿いの冠水牧草地の大半が放射能に汚染された。
著者は1948年生まれ。ベラルーシ人の父とウクライナ人の母をもつ女性作家であり、同時にジャーナリストである。
事故後、10年にわたり関係者に会ってインタビューを重ね、本書を出版した。心の整理だけでなく、事態の見極めにもそれだけの時間を要したということだろう。
原発事故が進行している最中である。余計な論評はせず、背表紙の言葉をもって紹介に代えさせていただきたい。
◆1986年の巨大原発事故に遭遇した人々の悲しみと衝撃とは何か。本書は普通の人々が黙してきたことを、被災地での丹念な取材で聞き取る珠玉のドキュメント。汚染地に留まり続ける老婆。酒の力を借りて事故処理作業に従事する男。戦火の故郷を離れて汚染地で暮らす若者。4半世紀後の福島原発事故の渦中に、チェルノブイリの真実が蘇る。
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