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ALONE TOGETHER


【著者】 本多 孝好    【装丁】 双葉文庫 302頁
【価格】 552円+税   【発行】 2002年10月

僕、柳瀬は大学医学部を退学し、今はアフィニテイー学院という不登校小中学生対象の塾の講師をしている。学院長以下スタッフ6人の小さな塾だ。
その僕が、大学時代の恩師である笠井教授から「立花サクラという中学生を守ってほしい」という依頼を受ける。笠井教授には、大学病院に入院していたサクラの母親を死に至らしめたのではないか、という疑惑がつきまとっていた。
僕はサクラと会い、母親が亡くなったいきさつを聞く。
今どきの中学生の心情は、共感できる部分もあれば、納得しがたいところもある。
一方、僕は僕で父母の死について秘密があり、つきあっている塾講師で女子大生の熊谷にもそのことは話していない。
夫婦の関係というものは、傍からみて単純に理解できるものではない。
本書のテーマは(おそらく)、人の心の深淵と人と人とのつながりだ。
孤独な二人の波長が共鳴するとき、「ALONE TOGETHER」という題名が静かに浮かび上がってくる。


2011.12.13

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