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【著者】 乃南 アサ 【装丁】 新潮文庫 516頁
【価格】 705円+税 【発行】 平成13年12月
新米警官の勤番日記である。警察官という職業に対して極めて好意的で、好漢の集団といった警察社会を描写している。
そういう意味ではマンガ的であり現実感に乏しいとも言えるが、“そういう趣旨の本だ”と思ってみれば、さほど難しく考える必要はないのかもしれない。
警視庁の警察官に採用されると、半年間、警察学校で初任教養を受け、その後卒業配置と称して警察署で実地研修を受ける。地域課、捜査課、交通課、生活安全課などを3か月あまりかけて順次経験し、最後の仕上げとして交番勤務を3か月行う。
本書は、高木聖大が城西署霞台駅前交番で研修を受けたときの経験談である。
勤めてみると、交番には実にさまざまな人がやってくる。道案内あり、盗難届あり、ケンカの仲裁ありと気を抜く暇がない。
同期で同じ署に配属された三浦は、職務質問を無難にこなし、犯人逮捕に結び付け、順調に成績をあげていた。しかし、高木はなかなか成果があがらない。
ところが、その三浦が犯人追跡中に大ケガを負う破目におちいった。高木はこの事故を機会に俄然職務に目覚める。
先輩婦警の触発もあって、脱線しながらも大きな手柄をあげることができた。
2011.12.19
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