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バトル・ロワイアル


【著者】高見 広春   【装丁】幻冬舎文庫(上)510頁(下)485頁
【価格】(上)(下)各600円+税 【発行】平成14年8月

極東の全体主義国家「大東亜共和国」では、全国の中学3年生のクラスからランダムに選んだ50クラスに対し、「プログラム」と称する殺人ゲームを行っていた。
1997年、七原秋也ら香川県にある白岩中学校3年B組の42人は、修学旅行のバスで眠らされ、ゲームの舞台になる「沖木島」へ送り込まれた。
「プログラム」は、1クラスの全員が武器を与えられ、生存者が1人になるまで、クラスメイト同士で殺しあうという究極のサバイバルゲームである。
本書は、第5回日本ホラー小説大賞の最終候補に残ったものの、その内容の異様さから審査員の不評を買い、受賞を逃した。
にもかかわらず、マンガになり、映画化されるなど人気が高まったのは何とも皮肉である。折しも少年犯罪が注目されていた時期でもあり、映画公開前には、国会でこの映画に関する質疑がなされたほどである。
疑心暗鬼のなかで様々な殺し合いが連鎖し、クラスメイトが徐々に減っていく。
その描写のために長大なページを費やす。
あまりにも共感できるところのない一冊である。






2012.9.9

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