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2012.10.3

文庫ライブラリ
クローズド・ノート

【著者】 雫井 脩介         【装丁】 角川文庫  441頁
【価格】 667円+税         【発行】 平成20年6月

将来、小学校の教師になることを目標に教育大学へ通う堀井香恵は、音楽サークルでの活動と文房具店でのアルバイトに励むごく普通の女子大生。そんなある日、彼女は一人暮らしのために引っ越したアパートで、前の住人が置き忘れていったと思われる1冊のノートを見つける。
そんな香恵の部屋を、自転車に乗った白いシャツの男が見上げている。偶然にもアルバイト先である文房具店に万年筆を求めてやってきた彼に再会した香恵は、彼がイラストレーターの石飛であることを知る。度々アルバイト先に姿を見せる石飛は、香恵に自分の絵のモデルになってほしいと告げる。そんな石飛に対して思いを寄せはじめた香恵だが、親友である葉菜に相談しようにも彼女が留学中で連絡がとれないため、気持ちに整理がつかない。
そんな時、以前見つけたノートをふと思い出した香恵は興味本位でパラパラとページをめくってみた。それは香恵が夢見ている職業である小学校教師の真野伊吹の日記だった。香恵は新任教師として子供達に囲まれながら、微笑む写真に心が和むとともに、ひたむきに頑張る伊吹の姿に憧れを抱く。
彼女の日記には新任教師としての毎日だけではなく、隆という名の男性へ寄せる思いが綴られていた。隆とはどんな男性なのか、香恵は想像を膨らませていくと同時に、自分が心を寄せている石飛の存在もいつしか大きくなっていく。
著者は、『犯人に告ぐ』、『虚貌』など、その抉り取るような犯人の心理描写でベストセラーを重ねるミステリー作家の雫井脩介。
切なく暖かい、運命的なラブ・ストーリーが展開する。

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