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そうだ、ローカル線、ソースカツ丼


【著者】 東海林 さだお   【装丁】 文春文庫 255頁
【価格】 495円+税      【発行】 2011年4月

東海林さだおによる文春文庫定番のエッセイ集である。今回のテーマは、ローカル線、定食、身辺雑貨雑物辞典と幅広い。それに奇食談義が加わる。
ローカル線の旅では、水郡線で袋田の滝へ行く。途中、淡水魚の水族館へ寄って山椒魚に出会うなど、思わぬ発見が面白い。
定食屋のコーナーでは京都の定食屋を紹介している。京都は観光地だけに食い物は高いと思われがちだが、学生の街でもある京都にはリーズナブルな定食屋が多い。ところで京都の定食屋には、サバ煮はあってもサバ味噌煮はない。東西文化の違いだろうか。新たな発見である。
辞典は広辞苑により身近な物品の意味を調べる。例えば「歯刷子」と「歯磨き」は次のようになっている。
「歯刷子」=歯を磨くのに用いる小さなブラシ。
「歯磨き」=①歯を磨いて清潔にすること。②歯を磨くとき歯ブラシなどにつける粉状・練状のもの。炭酸カルシウム・燐酸カルシウムを主成分とし、香料などを加えてつくる。
似たようなものでも、説明の詳しさが随分と違う。同じような例は数多くあり、読み進めると思わず笑ってしまう。
椎名誠との対談のテーマは、世界と日本の奇食である。
「食は文化」とはいうものの、ついていけない向きも多いだろう。
気軽な内容で、長距離電車通勤の人なら1日で読み終わってしまうだろう。




2011.6.5

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