このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
|
邪馬台国はどこですか?
【著者】 鯨 統一郎 【装丁】 創元推理文庫 316頁
【価格】 660円+税 【発行】 1998年5月
覆面作家・鯨統一郎のデビュー作である。
カウンター席だけのバーで歴史談義が盛り上がる。客は日本古代史専攻の大学教授、三谷敦彦と世界史専攻の助手、早乙女静香、そして正体不明の歴史マニア、宮田六郎の3人だ。宮田の奇説珍設に対し、常識派の静香が反論するというパターンで6つのテーマが議論される。
回を追うにつれ、バーテンダーの松永も予備知識を蓄えて議論に加わる。
釈迦は悟りを開いていない、邪馬台国は岩手県にあった、本能寺の変は信長の自殺劇だったなど、宮田説はすべからく状況証拠の積み重ねで、しかも自説に都合のよいように組み立てられている。
コペルニクス的転回といえば聞こえはいいが、やはり同感する気にはなれそうもない。宮田の屁理屈にまどわされないよう、十分承知をしたうえで、歴史ロマンを楽しもう。
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
|