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ご挨拶
「道路系サイトの新機軸を作りたい」。批判や嘲笑を受けそうな考えを持って本サイトを設立したのは2006年(平成18年)春のことでした。以来試行錯誤を重ねながらここまで運営してきたわけですが、そういう中で悟ったことは「道路には意味があり、尊厳がある」ということでした。
多くの道路系サイトを見て感じることは道路状況の悪さを強調したり国道だから、都道府県道だから、主要地方道だから良い道であるべきだと決め付けたり道路の存在する背景を深く考えないまま路線識別手段がないとか自動車が通れない箇所があるということだけで必要はないという評価を下したりしているものが少なくないことです。本サイトでも以前は取材した県道路線について「存在意義が感じられないので市町村に移管したほうが良い」などと厳しい評価を書いていた時期があったのですが、閲覧者の方から非常にきつい意見を頂いたことを契機にそういうことを書くのは一切やめ、該当する記述も全て削除しています。
確かに「閲覧者から非常にきつい意見を頂いたそのことだけでサイトの方針を変えるのか。あなたは言論の自由を妨げる心ない輩の攻撃に屈しただけではないのか」という意見もあります。しかし、私が道路について厳しい評価を書くのはやめたのは道路行政についてもっと一般市民の意見を聞いた上でどのようにすべきなのか決めるべきであるという考えを持つようになったことや道路を人間に置き換えて考えた場合、行政側の恣意的な仕打ちをどのように考えるのだろうかと考えるようになったこともあります。その点からすれば非常にきつい意見は自分の矛盾した考え方、ひいては本サイトの方針を考え直す大きな契機になったと言っても間違いではないと考えています。
道路は我々が毎日使うものであり、それ故にありふれすぎてどうでも良い存在になっている面があるように感じます。しかし、それが良いとは私は思いません。次に挙げるような現実があるからです。
・情報公開が進んでいるとは言えない面があること。
・政治の道具にされている面があること。
・差別が付けられていること。
・存在意義や歴史があまり知られていないこと。
・存在意義や歴史を知る機会が全くと言って良いほどないこと。
・市販の道路地図やインターネットの地図で間違った情報が多数書かれていること。
・市販の道路地図やインターネットの地図で書いておくべき情報が書かれていないこと。
・未改良箇所や通行不能箇所があることで評価される傾向が強いこと。
・その存在を広く知らせる手段がないこと。
・よそ者に沿線住民の感情を害するような評価をされることが多いこと。
こういう現実に鑑みて本サイトでは一つの道路を紹介するに当たり、道路状況だけでなく沿線情報や歴史に触れ、取材・実走して感じたことや管理者に訴えたいことを書くことにしています。自分の住んでいるところ以外はよそ者になるということは避けられないことであり、一つの道路とそれが通る地域の全てを知ることは不可能なことなのですが、できる限り本サイトを閲覧される方にその道路が通っている地域の情報を伝えられるように努めていこうと考えています(情報提供も歓迎します)。
また、本サイトでは中国地方の市町村や地名、ラジオ局に関するページも設けています。自分が興味を持っている分野であることもあるのですが、中国地方を訪れた際に少しでも役に立てば…という考えから設けました。どうぞご活用下さい。
本サイトはまだ発展途上にあり、一方でなかなか整備は進められる状況にはないのがもどかしいところなのですが、どうぞよろしくお願い致します。
2012年(平成24年)12月9日
サイト運営者 深津安那
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