橘宣行の彫刻に触れてみよう
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください



 



橘宣行 彫刻鑑賞会



[ミニランド展を鑑賞に行く]

東京は赤坂にある日本都市センター。敷地内にある遊歩道で、橘宣行が「ミニランド展」なる 展覧会を催していると聞いて、鑑賞に行ってきました。

橘宣行から届いた案内状は、いつものような代表作の写真を載せてあるものとは趣を異にして、 切り抜いて組み立て遊びができる「付録遊びつき」でした。完成すればモアイのような顔の像が 出来上がる、というもの。さすがに勿体無いので切って組み立てることはせず、その案内状を 片手に会場へと足を運びました。

到着して遊歩道を歩き、最初に見つけた橘宣行の彫刻がこれでした。




タイトル「うまくできましたか?」



なんと、案内状の切りぬき遊びの完成版が、この彫刻だったのです。のっけから不意打ちをくらい、 そのタイトルを見て、思わず「いいえ、出来ませんでした。」と、つぶやいてしまいました。



続いて見えてきた彫刻は、これ。




タイトル「ちょっと引っ張って」



間抜けなロボットが頭を床に突っ込んで抜けなくなっている。足をバタつかせる音が聞こえてきそうです。



さらに遊歩道を進んで行くと、次の彫刻です。




タイトル「こんなんできる?」



お茶目なロボットが頭に手を突き抜けさせています。片手を挙げ、少しだけ小首をかしげるそのしぐさが、 何ともひょうきん。思わず、「出来るかぁ!」と突っ込みたくなってしまいます。




タイトル「こんなんできる? 2」

続いては、これまたお茶目ロボが頭を“スポン”と外している。いきなり「こんなんできる?」などと 聞かれたら、思わず吹き出してしまうに違いありません。赤ん坊をあやすロボットに、丁度いいかも。 いや、余計に泣き出してしまいそうだな。




タイトル「こう見えて飛んでんねん」

最後に登場したのが、今回屈指の傑作といえるこの作品。オデコから伸びているショベルは、一体 何のためについているのか?まるで幽体離脱した百太郎のようだが…。ショベルと手の先だけで 支えて伸び伸びと飛んでいる姿は、作者の自由な生き方を象徴しているかのようです。



五体のユニークなロボット彫刻。生き生きとしたひょうきんさで、東京のビジネス街にひとときの 癒しを心に与えてくれます。都会生活のなかで我々は、ともすれば張り詰めてギスギスとした気持ちに なってしまいがちです。橘宣行の彫刻は、そんな我々の急ぐ歩みをふと止め、緊張をほぐしてくれます。 と同時に、ほんの少し視点を変えてリラックスさせ、発想の転換へのヒントをくれるかのようでもあります。 ステンレス色に輝く彫刻は、これまでの橘作品の中でも一番芸術度は高いのではないか? と思ったのは、私だけでしょうか。

惜しむらくは、次回に野外展を開くときは、もう少し暖かい時期にやってください。ブルブルブル…









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