ドイツ・クラウス社より、1896年(明治29年)に九州鉄道が購入し、No.44とした。1909年(明治42年)鉄道国有化の波の中で九州鉄道管理局に配属。形式1400、No.1412と改正されて明治、大正の各時代を走り続けた。
1927年(昭和2年)に国から払い下げを受けた鹿島参宮鉄道(現、関東鉄道)の鉾田線で1963年(昭和38年)頃迄使用していた。同型の蒸気機関車は、日本に19輌購入され、No.1400〜1418と指定されたが、払い下げ後は民鉄や各工場などで活躍していた。だが、1960年(昭和35年)迄にその全部が廃車され、ここに設置された1412を除いて解体されてしまった。
この型の機関車はKRAUSS社製の他の10型や1440型と同様のワルシャート・タイプの弁装置を持ち、初めて日本にその弁装置を紹介したものとして評価されよう。またシリンダーと弁室が保守に便利な分解構造になっている。更に動輪のバランスウェイトの一方を小扇形に設計してあるなど現存する貴重な蒸気機関車と言える。
1412の主要諸元
気筒径×行程 : | 379mm×540mm | | 運転整備重量 : | 35.9ton |
使用圧力 : | 11.3kg/cm2 | | 水槽容量 : | 5.7m3 |
火床面積 : | 1.10m2 | | 燃料積載量 : | 1.65ton |
伝熱面積 : | 77.8m2
煙管 : 71.3m2
火室 : 6.5m2 | | 最大寸法 : | 9566mm×2515mm×3620mm |
| 動輪径 : | 1120mm |
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ここに設置されているSLは、1979年(昭和54年)迄株式会社オリエンタルランドの用地(千葉県浦安)に保管されていた。同社より譲渡を受けたトミーは、日本車輌製造株式会社に修復依頼をした。同社により修復依頼された2台
(5号機関車の案内もある)のSLは、1980年(昭和55年)5月トミーによってこの地に静態保存公開された。