今朝、飼育箱の清掃をするために、蚕を別の箱に移動し始めました。ところが箱の隅に繭を作り始めた蚕がいるのには驚きました。数えてみると9頭です。桑の葉を丸めて繭を作っているものもあります。
ここで貴重な現象を確認しました。蚕のオシッコです。蚕は一生の内で、たったの2回しかオシッコをしないそうです。一回目は繭に入る直前、二回目が繭から出てきた蛾がするのだそうです。その一回目の瞬間を目撃できたのは、まさにラッキーでした。意外に多量のオシッコを一瞬のうちに放出しました。できれば2回目もその瞬間を目撃したいものです。
飼育箱に繭を作った
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オシッコと茶色の糞
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糞も今まで真っ黒だったのが、繭作りが近くなるに連れて、緑色・茶色・ベージュ色・白色と変わってきます。繭になるための蚕は、桑を食べずにひたすらウンコをするので、葉緑素がなくなっていくのでしょうか?。最後の白いウンコはピンセットで掴もうとしても、もろくて崩れてしまいます。
糞の色が変わる
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蚕は腹が空っぽになって、体長も短くなります。触っても、今にもつぶれそうな頼りなさです。繭の容積を小さくする術でしょうか。
僕の予想では、糸を吐き始めるのは、今日の午後あたりだろうと思っていたのです。それにしても糸を吐く前兆として、身体の色が透きとおった黄色になり、頭を振るようになる筈ですが、全体的にそんな状態には至っていません。
一瞬慌てましたが、昨日のうちにある程度は準備していたので、その後の動きは敏速でした。脚立を2基据えて竹の棒を渡し、回転蔟(まぶし)をぶら提げました。蔟というのは、繭をつくるアパートのようなものです。
実は、蔟を自分で作り始めたのですが、大変な作業だと分かりました。思案して、ウォーキングコースで知り合った農家のオバサンに相談しました。その結果、翌日には繭作りに必要な道具を車で運んで来てくれたのです。
回転蔟
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蚕は体長70mm前後、はち切れんばかりの冷たい肌です。午後になって、前兆を示す蚕が多くなりました。黄色はそれ程目立ちませんが、透き通った感じは分かります。桑を食べなくなって動作も緩慢(かんまん)、何かを捜し求めるように首を左右に振ります。こうなったら、蚕を蔟に移すのです。このことを上蔟(じょうぞく)といいます。
上蔟前日
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上蔟当日
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