このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


 ここへ行ってきました 

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2017.10.15-16那須茶臼岳-塩原温泉
 宇都宮市に住んでいたころ那須にはよく行った。甲子温泉にも足を伸ばしたし、塩原温泉にも泊まった。昭和55年に前橋市に移転してからは、すっかり疎遠になってしまった。紅葉時期になって、ふと思い出し、今回の旅行を計画したのである。

<茶臼岳>
 那須岳の主峰・茶臼岳(1,915m)は、栃木県の最北端に位置する活火山である。僕らの年齢では、できるだけ楽なコースを設定したい。那須ロープウェイで1,684mの山頂駅まで東野交通の那須ロープウェイに乗った。昨夜の雨がやんでゴンドラから下界を見ても雲が湧いて視界を妨げている。


ゴンドラから下界を見る

 茶臼岳のルートを下図に示す。


茶臼岳のルート図

 山頂駅は茶臼岳の9合目(1,684m)の地点にある。それから茶臼岳まで約50分。岩石の急斜面で、80歳と76歳の夫婦にはかなりきつい。しだいに雲が消えて朝日岳(1,896m)の東側斜面が現れた。さらに登ると薄雲の下に連山の剣ヶ峰と朝日岳も見えてきた。


朝日岳の東側斜面

連山の剣ヶ峰と朝日岳

 連山尾根に取り付いて茶臼岳が左尾根に現れた。右手に火口が見える。近づくと山頂に祠があった。


右手に火口

山頂の祠

 火口の縁を時計回りに下る。一面に荒くれた岩塊が拡がっている。右手を振り返ると山頂に再び雲が湧いてきた。


荒くれた岩塊

右手に山頂

 火口のお鉢周りをして、峰の茶屋方面に下る。途中、荒れ果てたモレーンのような奇妙な平地があった。畑の畝のようにも見えるが、向うの壁のようになった小山といい、人工的な気配がする場所である。


奇妙な平地

 剣ヶ峰の肩が峰の茶屋、ここに非難小屋がある。


峰の茶屋と剣ヶ峰

 僕達は手前の分岐点で左に折れて、緩やかな道を南へ向かう。茶臼岳の裾をハチマキ状に巡って、ロープウェイの山頂駅に戻るコースである。小雨が降ってきたが、幸いに寒さはない。あちこちに噴煙が上がっていて、硫黄の臭いがする。


茶臼岳の北側

噴煙

 谷側の斜面は姥ヶ平。霧にかすんで良く見えないが、紅葉の見頃と思われる。緑色はハイマツである。


茶臼岳の北西斜面-姥ヶ平

 雨が強くなった。茶臼岳の西斜面には無間地獄という噴気孔があるが、噴気と霧とが渾然一体となって轟音が聞こえてくる。


無間地獄

噴煙と霧

 少し急な坂を上がった尾根筋が牛ヶ首の分岐。南西の尾根を辿れば南月山に行く。


牛ヶ首の石碑

 僕らは茶臼岳の南面をほぼ等高線に沿って東に向かい、ロープウェイの山頂駅に戻った。茶臼岳の8合目を鉢巻状に360度の展望を楽しみながら、約3時間のコースタイムであった。結局、ロープウェイの山麓駅に下った辺りが、紅葉の見頃だったのである。


山麓駅付近の紅葉

<南ヶ丘牧場>
 栃木県は本州一の酪農大国であるという。南ヶ丘牧場は那須連山の麓にあり、広大な自然豊かな環境で、酪農を中心とした牧場を営んでいる。今はどこの観光地もハロウィンが定着している。そのイベント会場である。食事喫茶・体験学習・土産・遊びなどファミリーで楽しむことができる。



ハロウィン会場

 牧場は家畜だけではなく、鱒やチョウザメなども飼っている。

 牧場創業者の銅像が目立たない場所にひっそりと建っている。調べてみると岡部勇雄なる人物がそれらしい。岡部は昭和10年旧満州(現中国東北地区)に入植。終戦により、昭和20年8月帰国し、昭和23年11月、那須高原に入植。昭和24年開拓地を南ヶ丘と命名して、ホルスタイン1頭を飼育することから始まった。平成5年6月代表取締役を岡部雄一郎氏に引継ぎ、平成6年1月死去した。雄一郎氏は現在代表取締役会長、代表取締役社長は岡部拓也が就任している。


釣堀

創業者の銅像

 「生産・加工・販売を一貫して行う」理念の元、乳製品を販売し、レジャーの憩いを提供している。
 南ヶ丘牧場では、創業当初の昭和20年代より日本でわずか200頭ほどしかいないと言われる「ガーンジィ牛」を飼育している。飼育も難しく搾れる牛乳量は少ないが、乳質の良さから原産国イギリスチャンネル諸島では「貴族と富豪の牛乳」とも言われたほどで、その黄色味がかった色から「ゴールデンミルク」とも呼ばれている。コクがあってクリーミー、それでいてクセも少なくすっきりとした味わいが特徴であるという。全国ご当地牛乳グランプリで【最高金賞】を受賞している。
 ガーンジィ牛は、「ホルスタイン牛」に比べて一回り小さく、搾れる乳量も半分程度である。茶色と白の模様で人懐っこい性格である。朝夕1日2回、搾乳された牛乳は、場内のミルクプラントへ運ばれる。殺菌方法も一般的な超高温・瞬間殺菌は用いず、牛乳中の栄養成分や風味を損なうことのないよう、パスチャライズという殺菌処理を行っている。パスツールが考えた殺菌法で、日本では、低温殺菌法と言っている。

<塩原温泉郷>
 塩原渓谷の入口に塩原ダムがあり、塩原湖に架かっている橋がもみじ谷大吊橋である。320mの歩行者専用の吊橋だ。幅が1.5mしかないので、二人並列ですれ違いすることができない。ダムの湖頭に駐車場と売店があり、けっこう客が多い。橋のたもとに切符売り場があり、65歳以上は200円を払って渡橋する。横揺れが激しく、酔っ払いのようにフラフラしながら渡るのだ。


狭い通路

駐車場と売店

 向こう側に渡ると、うらびれた公園がある。観光客意外に人の憩う様子はない。左のほうに塩原ダムがあるが、利用目的は洪水調節・不特定利水・灌漑であり、発電所はない。


展望台から吊橋を見る

塩原ダム

 塩原温泉郷は、箒川沿いの谷間を中心にして、点在する11の温泉を総称している。箒川沿いの渓流は見応えがあるが、まだその時期ではない。尾崎紅葉が金色夜叉を執筆した旅館があり、紅葉が宿泊した部屋は『紅葉の間』として保存されているという。しかし雨が激しく降ってきたので、どこも見学することができず、早々とホテルに入って衆議院議員の選挙演説を聞くしかなかった。

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