このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


 ここがお薦め 

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14.10.13 本白根山

  1. 群馬県の草津温泉を起点として、長野県の山ノ内町まで雄大な山塊を志賀草津道路が走っている。その道路の南側に位置する本白根山もとしらねさん)を、今回は手ごろなハイキングコースとしてご紹介しよう。なお、この山塊を通称「草津白根山」と呼んでいるが、これは「日光白根山」と区別するための呼称と理解してほしい。


    草津白根山位置図( Domap より)
  1. 本白根山周遊コースは次図のとおりである。

本白根山周遊コース(カシミール3Dより)
  1. 先ずはおきまりの湯釜である。バス旅行の際には、必ずここへ立ち寄ることになっている。道路を挟んで、南側には弓池がある。底の見える浅い池だ。周囲は湿原化して木道が設置されていて、のんびりと散策できる。


    湯釜


    弓池
  1. 路線バスを利用した場合は、ここから登山コースに入るのであるが、マイカーの場合は弓池の東側に沿って南に進むと、わずか2,3分で白根火山ロープウェイ山頂駅の駐車場に着く。ここで車を降りて本白根山の周遊コースを歩くこととする。半時計廻りのルートがお勧めである。その理由は後述する。
  2. 地図上の(1)から緩やかな草原の道を辿ると、程なくシラビソ・オオシラビソ・コメツガなどの樹林帯に入る。
  3. 高山植物はもう霜にやられて、マイズルソウの赤い実だけが名残をとどめている。やがてダケカンバの多い木道に変わる。落葉樹はすでに葉を落としていて、眺望はすこぶる良い。後ろを振り返ると、白根山の背後に横手山(2,305m)が手の届く近さだ。


    白根山の向うに横手山

  1. 程なくすると忽然として目の前の様相が一変する(2)。旧噴火口である。火口の中は僅かに草が点在する程度だが、火口の縁はハイマツに覆われている。火口の向うに見える山が本白根山である・・・と言いたいところだが、写真の砂礫の頭は「本白根山遊歩道 最高地点2,150m」と呼んでいるものである。「本白根山三角点2,165m」はその陰にあって、ここからは見えないのである。


本白根山はあの山の陰
  1. 火口の斜面を半時計廻りに行くと、湿原の様相を呈した別の火口原に着く(3)。かつては荒涼とした月のクレーターを思わせる風景であっただろうが、今は植生もかなり進んできている。
  2. この火口原をさらに東に進んで外輪山に達すると、眺望が急展開して鳥瞰的な趣きを味わえる。眼下に草津温泉街が拡がっている。遥かな向うには南アルプスから富士山までがよく見える(4)。そして「本白根山三角点」もここで漸くお目にかかれるのである。
  3. 外輪山を西に向かってハイマツ帯を潜り抜けると、砂礫の高みに「本白根山遊歩道 最高地点」の道標に到着する(5)。北アルプスの稜線が雲の上に浮かんでいる。「本白根山」へのルートは途中にガス発生地があるために、立ち入り禁止のロープが張られている。
  4. しばし周囲の展望を堪能し、コースを元の(3)まで戻って、通称「展望台」に登る。さすがにここは人が多い。方位盤があって360度の山座展望を楽しめる(6)。ここから東側の火口の縁を時計方向に半周すると、火口湖の「鏡池」に着く。湖岸にも下りられるが、高みからの展望で十分だ(7)


    三角形の山が展望台


    鏡池

  1. さて、ここから出発地点に戻るのであるが、丸太棒の急な階段をかなり長い距離に亘って歩かされることになる。下りだから我慢できるが上りだとへばってしまう人もいるかも知れない。4項で半時計廻りのルートをお勧めした理由はここにある。漸く下りきると、後は樹林に囲まれた道を辿り、(8)を経由して出発点の(1)に帰着する。

  2. この周遊に要する時間はおよそ3時間30分、家族向きのハイキングコースとしてお薦めしたい。

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