このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

上州スポット
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20.10.13(月) 黒斑山(くろふやま)

  1. 長野県と群馬県の県境に浅間山(2,568m)がある。そして県境に沿ってそのまま西へたどると、2,000級の峰々が連続する。その一つに黒斑山(2,404m) がある。深い火口原をはさんで浅間山のすぐ西隣だ。
  2. 黒斑山への一般的なアクセスは、上信越自動車道の佐久ICか小諸ICである。めざすは高峰高原の車坂峠。ここにはビジターセンターがあり、周囲には駐車場スペースが十分にある。
  3. 登山道はここが起点。ポピュラーなコースは表コースである。尾根コースを主体とするもので、最初のうちは林間をくぐるが、次第に展望がきいてくる。南を眺めると、佐久平のかなたに八ヶ岳が横たわっている。左手には富士山も見える。

    黒斑山マップ


    赤石岳上空20,000mより/ カシミール3D にて作成)



    カラマツ越しに黒斑山稜線


    八ヶ岳の遠望


  4. いま登ってきた西側の登山口を振り返ると、高峰高原の向こうに水ノ塔山(みずのとやま2,202m)と東篭ノ登山(ひがしかごのとやま2,227m)が指呼の間だ。その中腹を湯ノ丸-高峰林道がよぎっている。
  5. 突然目の前にホシガラスが現れた。登山者を警戒することなく、カラマツの木の肌を盛んにつついている。うろこ状の皮の隙間に虫が潜んでおり、それを捕まえているのであろう。


高峰高原


ホシガラス


  1. しばらく急坂で汗を流して一休みしたくなったころ、火山シェルターに着き、さらに上ると槍ノ鞘に着く。忽然として現れた異次元の世界を思わせる。目の前のガレ場はトーミの頭の斜面であり、その先の森林は湯の平、古い火口原の底にある。
    さらに釜をふせたように立ちはだかるのは前掛山(まえかけやま2,524m)。主峰の浅間山はその陰に隠れて見えないが、火口から立ち上る煙が北側(左側)になびいている。


    槍ノ鞘から前掛山


    火口原の下部を見下ろす


  2. トーミの頭から黒斑山(くろふやま2,404m )を見上げる。爆裂火口の様子がよくわかる。外輪山の縁の左側(西側)は森林であり、右側(東側)は山体が噴き飛んで、深い窪地となった。さらにその先は蛇骨岳(じゃこつだけ2,366m)・仙人岳と続き、鞍部を経て浅間山のスロープへと続く。


    右-黒斑山


    蛇骨岳・仙人岳


  3. 爆裂火口は断崖となって極めて危険。くれぐれも浮石にのらないことだ。火山活動中のため登山計画に当たっては、インターネットで登山規制の確認が必要である。この日は、”噴火警戒レベル2で火口から概ね2kmの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性がある”とあった。登山口に規制の詳細が表示されている。
  4. それにしても、コメツガやシラビソの針葉樹林と、ダケカンバやクサモミジの黄葉は絶妙のコントラストを以て心を和ませてくれる。


    黒斑山から前掛山


  5. 下山はトーミノ頭の下部にある鞍部から、分岐道標にしたがって中コースを下ると時間がかせげる。表コースにくらべて針葉樹林の中を通るので景色は見えないが、それを取り戻すように中間のガレ場で、高峰高原と尾根続きの山並みが眺望できる。

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