このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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八ッ場ダム/シリーズ3<28.8.24>
ーダム建設に翻弄される長野原町ー

 昨年の9月23日から11ヶ月たった。あれからダムサイト施工の進捗はどうなっただろうか。例によって第二展望台に向かった。解説パネルを参考にしながら現状を確認する。上流側から下流側を見る。


ダム本体工事(第二展望台から)

 ダム本体工事は左岸と右岸がケーブルクレーンで繋がれている。両サイトとも本体掘削が行なわれ、平成28年6月14日からコンクリート打設が始まった。


左岸(第二展望台から)

右岸(第二展望台から)

 同じ展望台から上流側を見る。すでに完成している八ッ場(やんば)大橋の右岸側が見える。元の居住地は大きく土盛りされている。おそらく原石山の骨材プラントヤードとの運搬道路が仮設されたものと思われる。元の川原湯温泉が有った領域だ。

 新しい川原湯温泉は八ッ場大橋の左側高台に見える。


右岸側を見る(第二展望台から)

 第二展望台から第一展望台のある八ッ場大橋に移動。橋の向うの右岸に移転した川原湯の住民が移転した居住地が見える。新国道145号からこの橋を渡って居住地と行き来できる。


八ッ場大橋中央部

 八ッ場大橋の中央部歩道に第一展望台がある。そこから下流側にダムサイトが見える。先ほどの仮設運搬路が右手の骨材プラントヤードから下りて来て吾妻川を渡るために、JR吾妻線と国道の橋梁が有効利用されている。


遠くにダムサイトが見える(第一展望台から)

 身を反転して第一展望台から上流側を見る。手前、斜めに架かっている橋梁はJR吾妻線。2番目と3番目の橋梁は旧国道。これらの場所も湖底になる。遠くに白く見える橋脚は新しい県道の不動大橋である。


(第一展望台から)

 新居住地には新装なった山木館・やまた旅館・ゆうあいホテル・温もりの宿高田屋や、共同浴場王湯などがある。


山木館

 温泉街から新県道と新鉄道の交差するトンネルを潜ると川原湯温泉駅がある。2014年10月に移転した。閑散として駅員の姿がないが、長野原草津口駅管理の簡委委託駅であった。ちなみに乗車人員は2000年度の87人/日平均に対して、2015年度は26人/日平均と激減している。
 つらつら考えるに、国道県道とも旧道に比べて格段に良くなった。今や川原湯温泉は通過点の存在になってしまった。まさに八ッ場ダムに翻弄されたのである。


川原湯温泉駅

 橋上駅に入って通路の隙間から眺めると、線路の上に集落を結ぶオーバーブリッジが斜めに架かり、さらにその向こうに吾妻川に架かる不動大橋が見える。


橋上駅から不動大橋を見る

 その不動大橋から振り返って川原湯温泉駅を眺める。


不動大橋から川原湯温泉駅

 不動大橋の右岸側に不動の滝がある。橋を50m程歩いた所がビューポイント。デジカメでは滝壷が入らない。紅葉のときは絶景を撮ろうと賑わうに違いない。


不動の滝

 不動大橋の中間点から下流側を見ると、どうも遺跡の発掘が行なわれているらしい。天明三年の浅間山が大爆発を起こしたときの情報が得られる可能性大である。湖底に沈む前の重要な調査である。


遺跡発掘調査の風景

 左岸に渡ると道の駅八ッ場ふるさと舘があり、ここは新国道沿いであるから賑わっている。

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