このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
八ッ場ダム/シリーズ9<2018.3.25> <初めに> <見学行> ダムコンクリートの骨材を運搬するベルトコンベアを間近に見る。左手の山の反対側から運ばれてきて、吾妻川へと下って行く。
ベルトコンベアは右へ90度転換する。ここからダムサイトまでは常にベルトコンベアにお付き合いだ。
その先の上流側に見えるのは不動大橋。橋を渡ると「道の駅八ッ場ふるさと館」がある。 段丘に下りた所に、埋設物発掘の現場がある。群馬県埋蔵文化財調査事業団によるもので、細長く広範囲に掘削が行なわれている。民家のあった場所である。 その背後の杉の木の影に橋梁が2本、橋の向うに旧JR東日本の線路が見える。その線路跡を利用してベルトコンベアが左から右へ敷かれている。茶色く見えるのがそれだ。橋梁とトンネルによって構成されている。国鉄時代の岩壁を貫く難工事に想いを馳せる。
左岸の支流に架かる新国道145号の橋梁が見える。広葉樹はまだ芽吹きがない。 歩行ルートは不動大橋の下を右岸から左岸に斜めに横切る。そして下流に向かって舗装された旧国道145号を下って行くと八ッ場大橋。
歩行を早めて下流側に急ぐ。やがてベルトコンベアがここで転換して、左岸天端の骨材サイトに上っていく。後方に八ッ場大橋の橋脚と橋桁と高塔が見える。
吾妻川の河床は流量が少ない。拠水林はすっかり伐採されている。 八ッ場大橋の周囲は、なにやら重機が多い。
少し下流側に「やんば館」があるが、すでに閉鎖されている。入口の看板を見ると「トイレ休憩お気軽に」と書かれている。昔、旧国道には公衆便所が少なかったので、車の通りがかりによく立ち寄ったことがあり懐かしい。
バス停も残っている。「バスのりば・上湯原」とあり、脇には時刻表もある。
吾妻川は奇岩怪石があり、目を楽しませる。
国道や鉄道の開削には切立つ岩を砕き、擁壁・橋梁・トンネルなどを多用している。難関工事だったことが偲ばれる。
トンネルを抜けると、しだいに平地が多くなり、やがて八ッ場大橋。
八ッ場大橋の橋脚周辺に工事用の仮設構築物が多いが、名前も用途もほとんど解からない。見学者の隊列が長過ぎて、解説者がいないに等しい。ダムを造るということが、いかに広い場所と、種々雑多な機械と作業員とが必要かを物語っている。まさにビックプロジェクトである。
ベルトコンベアは、山の中腹にある骨材サイロに上って行く。この辺が旧川原湯温泉駅があった所だ。
ダムサイトに到着。ここから20人ほどのグループに分かれて、替わりばんこに見学を始めることになる。グループ分けの意味は見学場所が狭いからだ。
足場の直下約30mの位置に「堤外仮排水路」がある。つまりダム堤体の工事をしている期間に、吾妻川の上流から流れてくる水のほかに、堤体そのものの工事廃水とがある。その両方をダム下流に放出しなければならない。そのために堤体最下部に設けたトンネルが「堤外仮排水路」と呼ばれるものである。
上から真下を覗くと吾妻川の流れが輝いて見える。見学者の足元下を流れて右にカーブし、ダム本体下部のトンネルを通ってダム下流の吾妻峡に供給される。
上を見上げると何段もの階段に見学者がギューギュー詰めだ。高低差約30m。地震が起きたらどうなるだろうかと心配になった。
<終りに> |
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