このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

国 登 録 有 形 文 化 財  第 1 0 − 0 0 2 2 号

旧 土 岐 家 住 宅 洋 館

平成9(1997)年11月5日 登録

 

img105.gif 

 施設名称  旧土岐家住宅洋館

 

 設計者名  不明

 

 施工者名  不明

 

 建 築 年   大正13(1924)年

 

 構    造   木造

 

 階    数  3階建て

 

 所 在 地   群馬県沼田市西倉内町594

 

 備    考   ◇屋根:スレート葺 建築面積:119㎡

 

            ◇登録基準:造形の規範となっているもの

 

 

    旧土岐家住宅洋館は、土岐章子爵(最後の沼田藩主

  土岐頼知公の七男)が、大正13年に東京都渋谷区に

  建築した。建築当時は、平屋の和館部と連接して建築

img106.gif された洋館部である。この建物は、現在の土岐家当主

 ・寛光氏からの申し出により、平成2年8月に現在地

 へ移築された。

  建物は、大正末期から昭和初期にかけてみられたド

 イツの郊外別荘風住宅。外観は、3つ(屋根・2階壁

 面・1階壁面)の大きく異なった仕上げとなっている

 。屋根は、俗に「牛の目窓」と呼ばれる屋根窓を中央

 に設けた急勾配の天然スレート葺き。2階壁面はイギ

 リス下見、1階は黄土色のドイツ壁仕上げとなってお

 り、大正期特有の様式がよく表されている。

  洋間の室内意匠は、壁・天井ともに白漆喰仕上げを

 基本とし、和室とともに表面的装飾を避け、充足した

 生活に重点をおいたデザインとなっている。この点は

 、装飾を豊かに用いた明治期西洋館とは異なる。

  この建物は、『明治期の大規模邸宅建築に見られた

 独立した洋館』から『応接空間を小規模の洋館として

 玄関脇に設置する昭和初期の文化住宅』への過渡期を

 示す特徴がある。また、部屋の間取りが土岐子爵の接

                                                                       客内容をよく伝えており、大正末期の貴重な建物であ

                                                                       る。

 

参考文献一覧

◆ 旧土岐邸洋館( 現地の説明板・沼田市教育委員会製作 )

文化庁 国指定文化財等検索システムhttp://www.bunka.go.jp/bsys/index.asp

 

 

                                           【 作成:2007(平成19)年8月12日 】

  

 

 

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください