このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

6.電車と列車

 以前ほど明確ではなくなってきたが、電車列車は厳密には区別される。

 事の発端は、電車が登場した頃である。

 昔はSLばかりであったが、SLよりも性能のいい電車が大都市に登場した。そして利便性を図るために駅を増やしていったが、SLはそんなに頻繁に加減速はできない。そこで、性能のいい電車が各駅に止まりそうでないSLは主要駅のみに止まっていた

 そこに、全ての駅に止まる各停電車主要駅のみに止まる普通列車が登場した。

 その後、地方にも電車が普及して行ったが、あとから電化した区間には当初から電化された区間とは区別されて電車列車となった

 そこに、当初からの電化区間である電車区間後発的に電化された列車区間が登場した。そして電車区間と列車区間を行き来する電車列車の普通列車列車区間では各駅に止まり電車区間ではSL時代のように主要駅のみに止まるといった運行形態をとったのである。

 これは関東や関西でみられる。

 東海道本線関東地区では京浜東北線が電車東海道・横須賀線が列車となっている。東海道・横須賀線の普通は列車区間では各駅に止まるが、電車区間では有楽町などに止まらないのに快速の呼称は使っていない。これは京浜東北線の電車が各停電車東海道・横須賀線の列車が普通列車だからなのである。

 関西では東海道・山陽本線の草津〜西明石が複々線になっていて、電車線列車線に分かれている。ここでも同様に普通列車は電車区間では主要駅のみの停車になるが快速ではない

 したがって、当該区間で快速の表記がないのに、一部の駅にしか止まらない列車があったらそれは普通列車で、ちゃんと快速の表記があるのは快速電車全ての駅に止まるのは各停電車である。

 関東関西の大都市部以外は全て列車区間なので、普通列車は原則各駅に止まる。だから、そういった地域に縁のない方は普通列車=各駅停車と思っていただいて差し支えはない。前項で述べた、一部の駅を通過する列車はあくまで例外であって、その区間が電車区間だからではない。

 

<参考文献>
川島令三 編著 『鉄道なるほど雑学事典』 PHP文庫 1998年
川島令三 編著 『鉄道なるほど雑学事典2』 PHP文庫 1999年
川島令三 岡田直 著 『鉄道のすべてがわかる事典』 PHP文庫 2000年

 

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