E217系
E217系は、「トップナンバーとは何か?」と言うことを再び私に考えさせた形式でした。
E217系と言う車両は、関東南部の人以外には、馴染みが無いものと思われます。113系の後継として、横須賀/総武線用に造られた車両であり、近郊形です。
ところが、近郊形であるにもかかわらず、片側4ドアで、しかもロングシートが多数…
昔から横須賀線を使っていた人間としては、この線を近郊路線から通勤路線に変えてしまった車両の印象があります。
しかし、必ずしもE217系に責を負わせられるものではなく、時代の流れかもしれません。関東に蔓延っているE231系も同様になってしまっています。
まぁ、一部とはいえ、セミクロスシート車はありますし、グリーンカーも連結されておりますので、ロングシートオンリーとなってしまった静岡に比べれば、まだ良いのかもしれません。
尚、セミクロスシートの方が良いというのは、勿論、個人の好みです。
常磐線を通勤に使っている知人は、混むと言うことで、セミクロスシートの415系やE531系を嫌っていました。
ちなみにその知人は、ロングシートが好きと言うのではなく、E531系のグリーンカーを知ってしまった後、ちょくちょくグリーンカーを利用しているようです。
鉄道ファンの視点ではなく、一般の人の視点からすると、矢張りロングシート化と言うのは仕方ないようです。
トップナンバーの話なのに、シートの話ばかりしたのには訳があります。
形式クハE216、モハE216には、クハE216-1、モハE216-1と言うナンバーの車両がありません。
クハE216、モハE216は、全てロングシート仕様。
そして、基本番台(1〜)がセミクロスシート仕様なのに対して、ロングシート仕様は、1001〜、2001〜となっているからです。
私は今まで、トップナンバーとは「●●−1」と固有番号が1のもののみであるとしてきましたが、
そうしますと、クハE216、モハE216等は、トップナンバーが存在しない形式となってしまいます。
しかし、トップナンバーを或る番台(例えば、1000番台)の1番とすると、一つの形式に幾つものトップナンバーが存在するものも出て来てしまいます(例えば、クハE231は、クハE231-1、501、801、901、6001、8001、8501)。
いや、それよりも「●●−1001」をトップと言うことに個人的には抵抗感があります。あくまでも番台のトップナンバーであって、形式のトップナンバーではないような気がします(個人的見解です)。
「その形式で最も若い番号」と定義するのも一案ですが、そうだとすると、例えばクハE216の場合など、
「全てロングシート仕様である、そしてロングシートの場合のナンバーは…」と講釈が必要になってしまいます。
講釈が正しいかの問題がありますし、講釈が付くなど面倒ですし、何よりも、素人には分からず、すっきりしません。
面倒になりまして、結局、私の定義は、従来通り「トップナンバーとは固有番号が1の車両」と言うこととしました。あくまでも個人的な定義です。
従って、私の定義に従えば、クハE216、モハE216にはトップナンバーが存在しません。
そのようなE217系のトップナンバーですが、湘南新宿ラインの増便により、横須賀/総武線が減便となったおかげで、東海道線用に移籍となりました。
事前にその情報は、インターネットで入手。
東海道線には僅か3編成のE217系しかありませんので、発見するのは比較的楽。中間車両側面の相違は良く分からないのですが、正面形状は、E231系とは全く異なり、目立ちます。
2007年05月の或る日、新橋駅に居りましたら、E217系のトップナンバー編成が目の前を熱海方向に走り去ってしまいました。
E217系は、E231系とは異なり、東海道線でしか使用しない(湘南新宿ラインには入らない)そうですので、同じ列車ならば、また会えるのではないか?
そんな期待を抱きつつ、翌週、同じ列車を見に東京駅を訪れますと、予想通り出会えました。
ラッキー!と思ったのですが、車内清掃のため乗客は暫く待たされ、ホームは混んでおりますので、撮影に不向き。
乗車OKとなったのは発車数分前。急いで、基本編成車両のナンバーを撮影します。
セミクロスシート車は、東京寄りにしか連結されておらず、基本編成は、熱海方より
クハE216-2061+モハE216-1001+モハE217-1001+【サロE216-1】+【サロE217-1】+サハE217-2002+サハE217-2001+モハE216-1001+【モハE217-1】+【クハE217-1】
となっておりました。
これにて完了! と思って、走り去る電車を見送っておりましたら、なんと増結編成にサハE217-1があるではありませんか!
そこで初めて思い出しました。横須賀/総武線は、基本編成11両+増結編成4両なのに対して、東海道線は、基本編成10両+増結編成5両。
東海道線移籍時に、1両、基本編成から増結編成に移動させた筈です。それが、トップナンバーだったとは…
1両のみを後日撮るのは面倒です。たった今走り去った電車は小田原行きですので、多分折り返して来るであろう、と推測。時刻表を見ますと、それらしき上り列車があります。
一度仕事場に戻り、再び東京駅へ。なんとかサハE217のトップナンバーを撮影することができました。尚、増結編成は、熱海方より
クハE216-1001+モハE216-2002+モハE217-2002+【サハE217-1】+クハE217-2001
となっております。
一回で済むと思ったのに… おかげで、ろくろく仕事にならなかった夜でした。
もしもお客さんから文句があったら、「E217系のトップナンバーが東海道に移籍したので…」と言い訳しようと思っておりましたが、本当にそんなことをしたら、火に油を注ぐことになったでしょうね(^_^;