このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

頸城鉄道 単端 ジ1−2の製作

 

 

 

 

組み立ての詳細をPDFにしました(2009.7.12)

 

 

趣味の道の大先輩、  夢遊生活の日々 の管理人様からも「このエッチング板を組み立ててみたい」との嬉しいご要望があり、既に2セットお送りしました。そして、このエッチング板を組み立てている過程をHPに掲載されています。ボンネットや軸受けを徹底的に改造されており、すばらしい作品で、完成が楽しみです。是非ご覧ください。

 

組み立て見本です。

写真をクリックすると大きな画像を見ることが出来ます。

 

原形(フリーです)

 

妻板・側板ともに木張りタイプ。

ボンネットはロスト製部品を切断し、奥行きを詰めました。

タイフォンはエコー製(#751)を使用。

これから走行装置を取り付けます。

 

 

ジ1,2とは異なり、客ドアの幅は左右とも同じです。

 

 

ジ1タイプ

 

妻板・側板ともに鋼板張りタイプ。

 

 

 

 

 ジ2タイプ

 

妻板は木張り、側板は鋼板張りタイプ。

 

 

 

少し写真を増やしました(2009.5.10)

 

頸城単端の製作を始めました。すでに工作室便りで紹介したとおり、試作版のミスを修正した第2版です。

 

このエッチング板は、頸城鉄道をはじめ国内外の軽便鉄道の写真をHPで公開している 夢遊生活の日々 の主宰者の管理人様に2セット頒布したのですが、その方が製作に着手されたようです。修正2版はまだ組み立てていないので、大きなミスがないかヒヤヒヤしています。何よりも現車を実見している方のめがねにかなうかどうか・・・。

 

さて、このエッチング板はジ1,2,原型の3タイプを製作できるように設計しています。また、ジ1の特徴的なボンネットはオレンジカンパニー製九十九里キハ104のものを流用しているので、プロトタイプより小さくなっています。

 

さて、製作できる3タイプの特徴は次の通りです。

 

ジ1 ボンネット大、妻板鋼板張りで2段窓、側面鋼板張りで客ドア(左側)が広幅。

ジ2 ボンネット小、妻板鋼板張りで2段窓、側面木羽目板で客ドア(左側)が広幅。

原型 ボンネット小、妻板木羽目板で1段窓、側面木羽目板で客ドア(左側)が狭幅。

 

さて、製作に入ります。3タイプ同時に着工です。

 

 

 

 

1.車体の組み立て

 

最初に前面を曲げました。厚さ1cmくらいの雑誌にエッチング板を裏返しにおき、その上で直径25mmの真鍮製の棒をころころ転がすと、きれいに曲がります。床板を当てながら曲がり具合を確認しました。

 

ジ1にはボンネットが付くので、その部分をあらかじめ切り取っておきます。裏側にあるエッチングのスジにそって糸鋸で切り抜きましたが、最終調整は現物合わせです。

 

 

妻板の裏側です。ジ2のボンネットは切り抜き不要なのでそのまま曲げればよいのですが、表面にスジが浮き出てしまうので、あらかじめスジを半田で埋めておきました。

 

ジ1と2はリベットを打ち出しました。裏側にエッチングで穴が開いているので、金床にコピー用紙を5枚ほど敷き、妻板を裏返しにおき、一つずつけがき針でさしてゆきます。ジ1はリベットを少なくしてみました。後に付けるウインドシルの関係上、窓下は打ち出さない方が良いようです。

 

タイフォンとヘッドライトの取り付け穴をドリルで開けます。緑で囲んだのが目印の穴ですが、原型用の窓下の穴は左右逆でした。内張にも目印の穴が開いていますので、そちらをガイドに開けました。

 

妻板外板に内張を貼り合わせます。その後上部に雨樋を付けますが、雨樋上部は妻板上部より1mmほど上になります。そのあと両側に1.5×1.5mmのアングルを付けます。後部の妻板では下側を6mm以上出っ張らせます。原型では、内張の代わりにランナーの切れ端を貼り付けました。

そのあと帯板を付けます。ジ1,2前面は窓下に1.4×0.4mmを付けるだけです。後部妻板は窓下に0.8×0.4を付け、その下に1.0×0.2mm帯板を付けます。窓上には1.0×0.2mmの帯板を2本付けました。原型では窓下に0.6mm真鍮線を付け、さらにその下に0.8×0.4mmの帯板を付けました。

 

 

 

帯板は実際に付けてから実物写真と見比べ、イメージと合わなければ付け替えました。特にジ1,2の窓上は0.8→0.5→0.6mmと3回やり直しました。そのため半田だらけになってしまいました。

 

 

 

アングルは4×5mm。このアングルは直角になっているか、サイズはきちんとしているか確認する必要があります。今回は4mm側がややサイズオーバーで、ヤスリで調整してから半田付けしました。

 

車体を箱にしますが、その前に妻板のアングルにあらかじめ穴を開けておきました。手すり用と雨樋用縦管支持に使う割ピンを差し込む穴です。

ジ1には雨樋縦管を付けますが、2と原型には付けない予定です。

側面の雨樋は出っ張らしたまま組み立て、箱になってから切断します。 

下面のアングルも組み立て後に切断します。

車体が箱になりました。このあと、雨樋と後部妻板のアングルの出っ張りを切断します。

(ここまで2.28記)

 

3.2

車体妻板側下側に補強用のあて板を付けます。

あて板はエッチング板2枚を貼り合わせ、妻板下辺(裾)から床板の板厚分上に付けます。なお、この部品は妻板上部側用のものもありますが、あとで屋根を付けにくくなるので上側はのものは付けませんでした。上下とも内張にある”ほぞ”に入り込むようになっていますが、やや深く入りすぎたので少し浮かせ、サイドのアングルと高さを合わせました。左写真の長い方が前側用で、小さな突起がある方(右側)がドア側になります。後部は突起もほぞもないので、イモ付けです。なお、この部品は内装用の内張と干渉しますが今回は内装用の板に加工を加えることにしました(が、これは後回し)。

 

組上がった車体。手前からジ1,ジ2、一番奥が原形。乗務員ドアは側板とツラ位置にしました。試作車から改良を加えたかった部分です。

 

組上がった車体を後ろから。手前からジ1,ジ2、一番奥が原形。ジ2の後ろ側も鋼板張りであったかは確認できませんでしたが、窓が2段に改造されていたのは間違いないようです。*

 

*何を血迷ったか、これは明らかな間違いです。エリエイ刊Rail No.45のP.84の写真を見ると、ジ2の後部は1段窓のようでした。一番下の写真には桟のような影が写っていますが、桟にしては細いようです。

桟としても高さがジ1とは違うようですし、中央窓は間違いなく一枚窓のようです。

と言う訳で、ジ2の後部妻板は鋼板張り、1段窓とすることにしました。

ただ、鋼板張りであったかは不明のまま。(3.3追記)

 

 

ジ2の後ろの妻板の窓を桟なしにしました。ガスバーナーであぶって必要な部分だけ外し、原形車と同じ方法で一段窓用窓枠を付けて、車体に組み付けました。前回妻板を付けたときにドア周りがゆがんでしまい気になっていたので、同時に修正しました。妻板の交換はこの修正も目的でした。

 

 

 

 

ジ1の試作車(奥)と今回製作中の車体。試作車では幕板が狭く印象が違っていたので、寸法を見直しました。これもどうしても直したかった箇所。

 

後部の梁を組み立てます。大きい方の部品は折り曲げ線を外側にします(他の部分は折り曲げ線を内にしますがここは逆になります)。中央よりのリベットは裏から打ち出しておきます。両端の部品は本体を車体に付けてから車幅に合わせて付けます。

 

 

 

2.床板の組み立て

 

 

床板はエッチング抜きの部品を2枚重ね合わせます。梁の取り付け位置を示したエッチングのスジがある方が下側になります。上側に重ねる部品にはスジはなく、乗務員ドア下のハシゴ取り付け用切り込みが両側にあります。ドアを拡幅したジ1,2の場合は素直に形が合うよう(ステップのかきとりが合うように)に貼り合わせますが(3枚並んだうち、中央と右側)、原形車の場合は上側を裏返しにします(左側)。ステップ前側は両面とも一段下がった部分が出来ますが、長方形の部品を裏表とも付けて、平らになるようにします。

 

 

後部の車輪はイコライザー機構を付けるため、ランナーを切って四角い穴を開けます。長手方向には3×1mmの平角線で梁を付けます。後部は床板後端にあわせますが、前部は側梁の位置決め印までにします。

 

緑色は1.4mmのネジを切り、黒は1.5mmの穴を開けます。

1.jpg

 

3×1mmの角線を付けます。これはモーター台の取り付けのための高さ調整兼取り付けネジ用の穴の厚さを稼ぐためです。

 

 

動力関係の購入部品

 

軸受けの加工。黒は1.5mm穴、緑は1.4mmネジ切り穴

2.jpg

梁の一部を削り、イコライザー化 

 

イコライザーの様子

 

 

 

 

 

3.屋根板の組み立て

 

 

最初にR10で曲げます。真鍮丸棒でゴロゴロしました。

 

塩ビパイプで型を作り、その上でトントンしました。切り込みなしで大丈夫かと思いましたが、うまく曲がりませんでした。折り曲げスジ1つおきに糸鋸で切り込みを入れました。

 

4.ボンネットの組み立て

 

 

まずはジ2用。ボンネット正面と内板を重ね、側面をカーブに合わせ曲げます。正面内板は一回り小さくなっています。

 

ボンネット周り。排障器はもう少し大きいRで曲げ直しました。横にあるのは2×1の平角線。こちらはジ2ようです。

 

デッキ上にはボンネット内寸に合わせた平角線を付け、その上にラジエターをイモ付け。あとはカプラーを付けるだけです。

 

給水口は2mm径の洋白丸棒です。もちろん真鍮線で充分ですが、手持ちがありませんでした。

 

 

 

こちらはジ1用デッキです。黒は真鍮帯板を使用した箇所。上は幅2mm下は1.7mmです。カプラー台座下にも帯板(幅1.5mmを使用)。

 

 

 

次はジ1用ボンネットの加工。赤の部分は切り取り箇所。右は加工後。

 

 

 今年に入ってから忙しく、3台同時並行製作はかえって非効率で作業が遅くなってしまっています。そのうえこんなものを作ったりしているので、単端の方はますますペースダウン。台車をTR-10で代用ってのはちょっと無理がありますな。

 

 

 

 

 

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