このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

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インドネシア>KRLジャボタベック>KRL-I電車

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▲インドネシアの誇り、KRL-I電車。

 

インドネシアにだって鉄道車両メーカーはある。社名は『PT INKA』と言う。ただ、いままで作ってきた物に何かしらのトラブルがあったことによる『風評被害』とやらに悩まされていたりする。だから、乗客である我々の耳まで風で流されて来て聞こえてしまう評判も芳しくないわけだ。

インドネシアはGEのOEMでだけれど、フィリピン国鉄向けに本格的な電気式ディーゼル機関車を輸出したという輝かしい実績は持っている。とは言え、インドネシアの都市交通「KRLジャボタベック」としては・・・新車で納品させた電車がトラブル続きでリコールやら、工場戻しやらと続くと通常ダイヤを維持するのにも困ってしまう(定期点検を無視しないと配車ができないのは恐い)。今ひとつ信用していない節がある。

それで事故が起こったりすると連鎖的に、KRLジャボタベック本体が『風評被害』にやられてしまうかも知れないので切実なのかも知れない。

そういうわけで日本製中古電車を大量に輸入する羽目に陥っているわけだが、インドネシア政府も自国の産業育成のために『なあ、ウチの娘の面倒を見てやってもらえないだろうか』と脅しをかけている真っ最中だったりする。

で、PT INKAが頑張って製造したエアコン付き電車がKRL-I電車である。今まで手本にして来た欧州や韓国のメーカーではなく、長いお付き合いのある東芝とか日立の技術で作ったんじゃないかと思われる。台車も何処で見たことのあるようなアレっぽいし。

Ekonomi車両の方は、PT INKA製や現代製などの車両で話題は尽きないが・・・KRL-I電車の実力は、当会ではまだ掴み切れていない。だから海の物とも山の物ともというところで宜しくです(KRDEの方でもベース車両の問題もあって厳しい気配がありますが)。

KRL-I電車の内装はEkonomi車両とほぼ同様。座席も水で掃除しやすいFRPだが、プラスチックかなんか製。ただし、車両中にパイピングされているので、乗客で混雑していても何処からでも手に掴んで身体を支えられる親切設計は素晴らしい。

PT INKAの出している資料に寄れば、開発に着手したのは1997年。集電規格はDC1500V、サイズは20M(長さ)×3.82M(幅)×2.99M(高さ)、モーター4機搭載、最高時速100KM、全ステンレス製ボディ、との話。

今後、これがベースになってインドネシア国産の電車が、KRLジャボタベックの車両群にどんどんねじ込まれてくる様な気もするけれど・・・案外そうでもなさそうな気がする。製造能力が今ひとつ限られていて大規模発注には即応できないっぽい。

個人的にはKRL-I電車は嫌いな車両ではない。先頭車両が尖っているのでカコイイし。今まで乗車中にトラブル起こした経験もないし。しかし、やっぱりいろいろ複雑っぽい。できれば、国産エアコン搭載電車の導入はジェッティヌガラ〜ボゴールの路線に休み無しで投入できるようになってから、というスケジュールでお願いしたい。

現状、ただでさえ車両に余裕がないのだから、信頼性に欠ける不安定な車両を大量導入すると・・・車両検査・車両補修スケジュールに穴が開いてしまう可能性が高い。それでは安全運転などできるはずがない。

そう言えば・・・もう1本の編成を見かけないんですが・・・。どうして? まさか共食い●備? 日尼友好で頑張ろう。いろいろあるけど。

 


▲KRL-I電車はデジタル掲示板を搭載。

 

 


▲KRL-I電車の座席はEkonomiクラスと同じ。

 

 


▲KRL-I電車のパイピングはとても便利。

 

 


▲KRL-I電車客室の製造車板。INKAの文字がまぶしい。

 

 


▲愛称『Djoko Lelono 3』の銘板が側面に掲げられる。

 

 


▲車両番号。とても特別で若い番号が目に染みる。

 

 

 

 

 







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