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「新型電車」の旧型化【国鉄→JR編】
■初期の電車
鶴見線武蔵白石にて(昭和52(1977)年頃)
かつての電車は、全てこのようなかたちであった。架線から供給される電力を抵抗器を通じ制御し、主電動機を回転させる。主電力をじかに扱う手法は路面電車時代に卒業しており、低電力で制御器を操作する間接制御の時代に、既に移行していた。それでいてこの古色蒼然たるデザインであるから、電車技術の完成度の高さがわかる。
これら「旧型電車」を定義する根本的な要素は、主電動機の装架にあった。「旧型電車」の主電動機は、一方を台車、もう一方を車軸に支持されていた。この方式を「釣掛駆動」という。これは、主電動機の回転を車軸に伝達するために編み出された手法である。独特の走行音から、「釣掛駆動」の「旧型電車」はすぐに認識できる。
■通勤電車の原型
鶴見線海芝浦にて(昭和54(1979)年頃)
「旧型電車」の系列は17m車から40・50・60系へと派生していったが、通勤電車の原型となったのが63→73系である。73系は20m車・4扉・ロングシート・切妻・先頭車非貫通などといった特徴を備えており、これら諸要素の多くは当代の通勤電車に継承されている。
写真のTcは、比較的原型に近いものである。特に注目すべきは三段窓で、これは73系に際立つ特徴である。
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