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「新型電車」の旧型化【国鉄→JR編】
■通勤電車の革命児 209系
川越線西川越−的場間(平成12(2000)年)
「重さ半分、値段半分、寿命半分」とのコピーとともに登場した 901系(のち改番され 209系 900番台)は、まぎれもなく通勤電車の革命児である。この系列を境として、通勤電車にもVVVFインバータ制御が本格的に採用されるようになった。
VVVFインバータ制御とは、三相交流モーターの採用を意味する。VVVFインバータ制御+三相交流モーターの威力は、粘着性能の大幅な向上というかたちで顕現された。粘着性能向上により、同じ走行性能を得るため必要な電動機出力は小さくなった。在来系列が6M4T以上を基本としたのに対し、VVVFインバータ制御+三相交流モーター車は4M6Tでも充分な走行性能を確保できるようになった。
901系の量産車である 209系は、以上のような次第で、サハの数が多い編成となった。それは編成全体の軽量化につながり、軽量部材の採用とあいまり、 103系と比べまさしく「重さ半分」になった。
209系は内装においても進化した。椅子は固めながら、座り心地の良いものとなった。側窓が大きな固定窓となったことで、車内は明るくなり、隙間風は根絶された。かような 209系と比べると、 103系の後進性は明瞭にならざるをえない。経年劣化の進行とあわせ、 103系の置換が急激に進行した。
209系は京浜東北線・根岸線に集中投入され、 103系を一掃したばかりでなく、 205系まで他線に追いやった。近郊型にマイナーチェンジされたE217系は総武快速・横須賀線に集中投入され、 113系を完全に置換した。幅広車体を採用した 209系 500番台及びE231系は、総武・中央緩行線に大量投入され、 103系を根絶した。同線になお残る 201系・ 205系も風前の灯火である。
なお、E231系は通勤型・近郊型の基本設計をほぼ同一とする電車史上初の系列である。東北・高崎線において投入が進行中で、近々常磐快速線にも投入される。「新型電車」は近頃急速に旧型車化し、終焉の時を迎えようとしている。
総武緩行線東船橋にて(平成13(2001)年)
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