このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

グルノーブルへの旅〜〜にわか雨

 

■豊かさとその拡大

 しかし、これ以上は書き募らぬようにしよう。私自身が教条的になりつつある面は否定できないからだ。このままで支持や共感を得られるとは、残念ながら思えない。今はただ、グルノーブルを訪れて感じ、考え至ったことを、整理しておくにとどめるとしよう。

  

 わずかな区間ながら、芝生の軌道敷を目の当たりにしただけでも幸せだったではないか。

 LRTの路線がさらに延伸されつつある風景を見ただけでも幸せだったではないか。

 

■にわか雨

 旅の幕引きを知らせるのであろうか、不意に強い雨が降ってきた。もはや屋外での行動はできない。たとえ屋根の下にいても、注意していないとカメラが濡れてしまう。列車の発車時間が迫っている。歩き回って疲れを感じてもいる。ここが潮時であろうと、急ぎ足でグルノーブル駅に向かう。

 

 雨は土砂降りになっていた。列車がちゃんと動くのかどうか、不安になるほど強い雨である。ありがたいことに、列車は動いた。シートに身を預け、雨に煙りつつ暮れゆく車窓をぼんやり眺めた。鉄道とは雨にも負けず動くものなのだなあと、当然すぎるほど当然の感慨を改めて認識し、確実に進みゆく列車を頼もしく思った。

 

■了■

 

 

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