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深名線のダイヤグラム

 

 

■平成 6(1994)年当時

 駅名 5721D5731D5733D5723D5725D5735D5727D5741D
深川 発5:10      11:0714:09   16:5419:24
幌加内発6:10      12:1215:14   18:0020:28
朱鞠内着6:51─┐    12:5515:55   18:43   
朱鞠内発   6:559:40      17:22      
名寄 着   7:5110:36      18:18      

 駅名 5740D5722D5732D5724D5734D5726D5736D5744D
名寄 発      8:10   16:00   18:56   
朱鞠内着      9:12   17:03   19:58   
朱鞠内発   7:53   14:29└─ 17:12      
幌加内発6:438:37   15:15   17:59   20:54
深川 着7:439:36   16:15   18:58   21:46

 

■昭和39(1964)年当時

 駅名         921D 943D 925D 927D    929D 931D 933D
深川  発      6:368:2810:0912:15   15:3218:0821:18
鷹泊  発      7:299:1210:5713:02   16:1919:0822:04
幌加内 発      7:58   11:2613:40   16:5219:4022:33
朱鞠内 着      8:53   12:2114:35   17:4820:3523:29
 駅名   941D 951D 943D    945D 947D 953D 949D      
朱鞠内 発6:20   9:30   12:4715:20   18:10      
天塩弥生発7:157:5010:26   13:4316:1717:3619:05      
名寄  着7:268:0110:37   13:5416:2817:4719:16      

 駅名         950D 940D 942D    944D 946D 952D 948D
名寄  発      7:368:1111:22   14:0016:4017:2020:50
天塩弥生発      7:458:2211:33   14:1116:5217:3121:01
朱鞠内 着         9:2412:37   15:1317:54   22:03
 駅名   920D 922D 924D 926D 928D 930D 932D 934D 936D   
朱鞠内 発5:066:05   9:2812:43   15:52   18:45   
幌加内 発6:006:59   10:2313:46   16:50   19:44   
鷹泊  発6:347:289:2310:5514:1616:2117:1718:5720:17   
深川  着7:248:2310:0611:4015:0717:0518:0219:4121:03   

 ※950D・951Dは休日運休

 

■コメント

 平成 6年時点でのダイヤは、壊滅的に不便である。これほど「やる気」を感じられないダイヤも珍しい。深川・名寄への通勤・通学以外、ほとんど対応できない内容といえる。幌加内町への所用客は、午前中に幌加内入りすることが事実上できない。町内での移動に際しても大不便であり、極めて使い勝手が悪い。特に午前中の列車設定が不便である点が痛い。調査時点で深名線の利用率が低かったのは、このダイヤからすれば当然すぎるほど当然といえよう。

 昭和39年時点でのダイヤも不便ながら、それでも一応の水準にある。実態としては回送に近いと思われる列車も少なくないが、平成 6年ダイヤと比べればはるかに充実している。また、鷹泊・天塩弥生折り返しの区間便が設定されている点も、特色の一つである。通学需要に対応したものであろうか。

 昭和39年と平成 6年のダイヤではどこが違うのか。本質的には朱鞠内泊の運用の有無につきる。昭和39年ダイヤには朱鞠内泊の運用が3本もある。平成 6年ダイヤは全て日帰り運用である。そのため、 5721Dのように利用者が少ない時間帯に事実上の回送として設定されている列車もあり、限りある経営資源が分散している傾向が認められる。

 また、交換可能駅が減じられ、閉塞区間が長くなった点もダイヤ設定の自由度を削いだ。 121.8kmと長大な路線ながら、最末期には深川−幌加内−朱鞠内−名寄と、わずか3つの閉塞区間しかなかった。特に鷹泊の交換機能を廃された点は、厳しい制約となった。

(平成 6年ダイヤが昭和39年ダイヤより優れているのは、車両性能の向上、もしくは交換待ち時間が解消されたことによる、所要時間の短縮のみである)

 しかし、それでもなお工夫の余地はなかったか。例えば、以下のようなダイヤ案はどうだろうか。

 

■深名線ダイヤ案(泊まり運用なし/交換可能駅は幌加内・朱鞠内のみ)

 駅名 5721D5731D5723D5733D5725D5735D5727D5741D
深川 発5:10    9:07   14:24   16:2419:24
幌加内発6:10   10:12   15:29   17:3020:28
朱鞠内着6:51─┐ 10:55─┐ 16:10─┐ 18:23   
朱鞠内発   6:55   11:10   17:22      
名寄 着   7:51   12:06   18:18      

 駅名 5740D5722D5732D5724D5734D5726D5736D5744D
名寄 発      8:10   15:00   18:56   
朱鞠内着      9:12   16:03   19:58   
朱鞠内発   6:58└─ 9:29└─ 16:42└─ 20:12
幌加内発6:237:42   10:15   17:29   20:54
深川 着7:238:41   11:15   18:28   21:46

 

 無論、この案とて必ずしもベストではない。鷹泊に交換設備がないこと、及び深川発の日帰り運用とすること、そして総運用数が減じられていることによる制約は、実に厳しいのである。昭和39年ダイヤは、決して便利でないとはいえ、その点よくできている。

 それでも平成 6年ダイヤと比べれば、同じ車キロ・列車キロ・乗務員キロでありながら(5736D→5744Dをつなぐ回送があるとみなした)、はるかに使いやすくなっているはずである。

 深名線の合理化は不可避であったろうし、また、充実したダイヤを組んだところで鉄道路線としての衰勢を食い止めることはできなかっただろう。しかしながら、いま少し使いやすいダイヤにする工夫の余地はあったはずである。そして、その工夫の質こそが、経営に対する意欲の顕現ではなかろうか。

 昭和39年ダイヤは、昭和50年代半ばまで概ね維持されていた。してみると、国鉄時代の末期にふるわれた「合理化」の大鉈こそが、深名線の命運を決したといえそうだ。

 

 

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