このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

主要登場人物紹介

大学編

八木橋裕子(やぎはし ゆうこ)

永康5年生まれ 射手座O型

  この物語の主人公。勉強や運動がずば抜けてできるわけでもなく、クラスで目立って可愛いわけでもない、何年かたった後で卒業アルバムを見返して、ようやく、ああこんな子もいたなあと想い出してもらえるような、ごくごくありきたりの普通の女子高生のはずだった。しかし、高校二年、16歳の時に事故によって家族と自身の肉体を失い全身義体化のサイボーグになってしまったことから、彼女の運命は大きく変わることになる。
  暗黒の高校時代を乗り越えて、現在は星修大学教育学部所属の大学生。全身義体でありながら、わざわざ義眼を近視に設定してまで眼鏡を好んでかけていることからも分かるように、生身の身体に憧れ、自身の機械の身体に強いコンプレックスを抱いている。そのため、基本的には明るく元気な女の子だが、時折どうしようもなく憂鬱になってしまうことがある。
  面倒見がよく、努力と根性を好む体育会系気質。他人のことには、トコトン親身で一生懸命だが、自分のこととなるとどうしようもなく不器用。人からは信頼されるけれども、何かと損な性格である。
  優しいけれども、その裏返しとして、弱気でプレッシャーに弱い。遅刻癖あり。趣味はランニングとサイクリングと骨董集め。アルバイトは専ら全身義体の力を生かした、肉体労働系。義体の外見年齢が高校生の頃のままなので、実際の年より随分若く見られてしまうのが悩み。愛称はヤギー。
藤原修治(ふじわら しゅうじ)

永康8年生まれ 魚座A型
  
  ヤギーの年下の彼氏。武南電鉄宮の橋駅駅員。駅で一緒に酔っ払いを介抱したことがきっかけでヤギーに一目惚れ。以来、ヤギーに近づく機会を密かに伺っていたが、ひょんなことから彼女が全身義体のサイボーグであることを知ってしまう。
  一目惚れの彼女が全身義体だと知って思い悩むが、ヤギーの暖かさを誰よりも知っている彼には、他の人が言うように、彼女が人形だとはどうしても思うことはできなかった。人を信じることに臆病だったヤギーも、彼の人を疑うことを知らない素直な心と、思いやり動かされ、硬く閉ざした本心を彼にだけは徐々に開いていくことになる。
  世の中に悪い奴はいない、がモットー。ヤギーがはじめての彼女というだけに、奥手な性格で、二人の恋愛関係においては、苦笑しながらも、積極的なヤギーに引っ張られることが多い。彼のコスプレ好きにはヤギーも閉口しつつ、最近は悪ノリもしている模様。

登場回 『初デート』『就職活動』『充電』『腕相撲』『遠慮は無用』
アニー

  ヤギーの暮らす「はるにれ荘」の管理人ロボット。はるにれ荘では主に料理と渉外関係を担当。普段は水色のワンピースがトレードマークの中学生くらいの女の子の姿をしているが、時と場合によっては大人型の身体を使ったり、幼い子供型の身体を使うこともある。
  もとはといえば須永さんの作った人工知能プログラムが、成長、発展したもので、一介のロボットにしては珍しく自己顕示欲と押しが強く、かなり人間に近い思考能力を身につけている。その我侭っぷりも含めて、はるにれ荘の住人からは孫のように可愛がられているようだ。
  ヤギーに対しては、同じ機械の身体なのに、自分はロボットでヤギーは人間ということで、友情を感じつつも複雑な感情を抱いているようである。

登場回 『全自動化住宅』『ネジ工場』
クララベル

  ヤギーの暮らす「はるにれ荘」のロボット。はるにれ荘では、主に買い物担当。外見は二十歳くらいの女の子。ギガテックス製の家庭用ロボットがベースのため、アニーとは対照的に万事に控えめで従順だが、いざと言うときにはかなりのパワーを発揮する、とても頼りになるロボットである。
  微弱な脳波を感知することで人の心を読み取るすべにたけていて、コミュニケーション能力が高い。

登場回 『全自動化住宅』
須永浩一(すなが こういち)

啓明24年生まれ  天秤座A型

  ヤギーの住む「はるにれ荘」の家主。ロボットメーカー「ギガテックス社」のAI研究室に勤める技術者でもある。学生時代に偶然から出来上がったAIプログラム「アニー」の成長を見守り、そして、「アニー」を越えるプログラムを作ることに生涯を賭ける根っからの技術者である。

登場回 『全自動化住宅』
汀環(みぎわ たまき)

啓明29年生まれ  牡羊座A型

  事故で両親と弟を失い、自身の肉体も失い、精神的に追い詰められた高校時代のヤギーを親身になって支えた、義体メーカー、イソジマ電工のケアサポーター。ヤギーとは、義体メーカーの一社員と一義体ユーザーを越えて、時には仲の良い友達同士、時には母と娘、時には姉と妹というぐらいに、深い関係を築く。イソジマ電工本社総務部に異動になった後は、しばらくヤギーとは疎遠になっていたが、ヤギーが就職活動で、イソジマ電工を訪れた際に再会を果たした。
  巻き毛がトレードマーク。小柄なため年齢より若く見られがちだが、大学編では三十路の大人な女性。のんびりしたしゃべり方のため、のんきな性格のように見えるが、仕事は段取りよく、根回しよくがモットー。テストの時、周囲には全然勉強していないと言っておきながら、影で猛勉強しているタイプと思われる。愛称はタマちゃん。

登場回 『就職活動』『食事会』
西田茜(にしだ あかね

永康18年生まれ 獅子座A型

  札幌在住の小学校五年生。物心つかないうちに全身義体になったため、生身の感覚をほとんど知らずに育つが、その代わりにコンピューターを自由自在にハッキングして操る不思議な能力を手に入れた。
  しかし、親の愛を知らず、友達との友情を知らず、ただただ、類まれなハッキング能力を高めることのみに重点を置いて育てられた結果、人間なんかよりずっと優れた存在だという歪んだ価値観を身につけてしまい、機械の身体であることを馬鹿にされると、ついつい過剰反応をして、自分の力を誇示してしまう。それが、かえって友達からも学校の先生からも、恐れられてしまう結果になっても・・・。
  ヤギーとは、義体交換で上京した時以来の知り合い。極度に人間不信に陥っているけれど、義体の奥底に隠された、彼女の本来の魂は、ちょっと背伸びしたファッションが大好き派手好み、いたづら好き、音楽大好き、屈託のない人懐こい笑顔が魅力の、年相応の女の子。ヤギーのことを、表面上は馬鹿にしつつも、本心では信頼できるサイボーグのお姉さんとして慕っていて、ヤギーにだけは本来の自分をかいま見せる。愛称はアッカ。

登場回 『検査入院』『腕相撲』
深町香織(ふかまち かおり)

啓明29年生まれ 蟹座AB型

  実業団バレーボールチーム、イソジマ電工ウイングスのスーパーエースにして、パラリンピックのバレーボール日本代表選手。普段はイソジマ電工の広告、宣伝部に所属。
  もともとは、オリンピック、バレーボールの全日本代表選手で、類まれな運動能力と運動選手というよりも、モデルとでもらしからぬ美貌で人気を博した。しかし、命に関わる重い病気にかかり、全身義体化。それでもバレーボールへの夢が捨てきれず、義体メーカー「イソジマ電工」の実業団チーム、ウイングスに入団した。例え歩く企業広告と呼ばれようとも、バレーボール人形と陰口を叩かれようとも意に介さず、生身の時代と変わらぬ美貌で一途に白球を追いかけるその姿は全ての全身義体の人達の希望の星。
  今のところの夢は、ウイングスのリーグ優勝と、パラリンピックでの金メダル。その夢の実現のためなら、新形義体の実験台になることも厭わない。普段はもの静かでお淑やかな性格だが、内に熱い魂を秘めた、炎のスーパーエース。

登場回 『食事会』
松原みどり(まつばら みどり)

永康4年生まれ  山羊座A型

  汀さんのあとを受けたヤギーの二代目ケアサポーター。ヤギーの二歳年上で、大学編では、まだまだかけだしの新人ケアサポーターである。人に誇れる仕事を夢見てイソジマ電工に入ったはいいけれど、社会はそんなに甘くもなければ単純でもなかった。義体患者に新しい命を与える存在であるとともに、義体患者から確実に利益を上げなければいけない存在でもある企業社会の現実にホトホト嫌気がさしつつも、辞めるほどの思い切りはないし、子供でもない。生真面目な性格ゆえに、ケアサポーターとはイソジマ電工の代表者なのだから会社側の立場をとるべきだと割り切ることもできず、汀さんのように、ヤギーを第一に考えて、なおかつ会社ともうまくやっていくほどの要領の良さもなく、ヤギーと会社の間に挟まれて、常にどっちつかずの立場を取らなくてはならない自分に悩む毎日だ。
  ヤギーには先任者の汀さんと、あらゆることで比較されてしまうため、余り良い関係を築けていない様子。時間には厳しく、遅刻癖のあるヤギーにはいつもイライラさせられっぱなし。

登場回 『くしゃみ』『一人遊び』『検査入院』『食事会』
古堅遥太郎(ふるげん ようたろう)

啓明18年生まれ  山羊座B型

  はみ出しものばかりが集まった、イソジマ電工義体開発部をまとめる部長。寡黙で物静かを通り越して無表情なため、何を考えているか分からないとよく言われているが、全身義体の開発にかける意気込みはイソジマ電工の誰よりも強い。
  義肢、義足など部分義体が製品の中心であるイソジマ電工では、全身義体の開発はお金ばかりかかる金食い虫であるという批判も高く、ややもすると会社のお荷物的な部署に見られがちだが、本人は、政治的なことはまるで興味がない理系バカのため、汀さんや深町さんが開発資金の調達に東奔西走する毎日。
  社内でもトップクラスの技術力は誰もが認めるところだが、自身の出世にはまるで興味がなく、製品開発に成果を上げたとたん、他部署においしいところをもっていかれることも多いため、周囲が歯がゆい思いをすることもしばしばである。

登場回 『就職活動』『食事会』
野中明美(のなか あけみ)

啓明32年生まれ 牡羊座O型

  ヤギーのアルバイト先、しろくま便の女性トラックドライバーにして二児の母。仕事に子育てに、忙しい毎日を送っている。姐御肌で面倒見がよく、しろくま便で働く人達からは野中のねえさんと呼ばれて親しまれている。
  普段は優しく穏やかな性格だが、昔は男も震え上がるヤンキー娘だったそうで、時折生来の気性の荒さを伺わせる言動を見せる。特に、女だからという理由で男より下に見られるのは許せないようで、男でも音を上げてしまうようなきついアルバイトを淡々とこなすヤギーには、一目置いて、何かと目をかけてくれる。

登場回 『充電』『腕相撲』  
山本直行(やまもと なおゆき)

永康9年生まれ 蠍座A型

  ヤギーと同じ星修大学の後輩で、しろくま便のアルバイト仲間。色白で、痩せ型の見るからに力がなさそうな体系だったため、アルバイトに来た当初は三日と持たないだろうと陰口を叩かれたが、予想に反して長くアルバイトを続けている頑張り屋の苦学生。しろくま便ではいじられキャラとして、皆に可愛がられている。
  女だてらに力持ちのヤギーを尊敬して慕っている。ヤギーも同じ大学の後輩として、いろいろ相談事に乗ったりしているようだが、ギャンブル狂でアルバイトで稼いだお金を競馬や競艇でスってしまい、よくお金を借りにくることには閉口している様子。

登場回 『充電』『腕相撲』
猪俣茂樹(いのまた しげき)

永康元年生まれ 乙女座O型

  プロレスラー並みの大柄な身体を持つしろくま便の社員。その体格と乱暴な言葉遣いのため、実際の性格以上に恐れられている面があるのは否めない。また、男所帯の職場への女性進出は余り快く思っていないようで、野中さんをはじめとする女性社員とは特に折り合いが悪いようだ。
  しかし、その性格は見かけによらず思慮に富み、決して粗暴ではない。目標に向かって全力で努力する人間には素直な賞賛を惜しまないタイプ。

登場回 『腕相撲』
ジャスミン・リー(じゃすみん りー)

永康6年生まれ 射手座B型

  星修大学教育学部所属。ヤギーの親友の一人。本名は李莉だが、イングリッシュネームのジャスミンと呼ばれるのがお気に入り。在日華僑の三世で、入舸浦の三代続いた老舗レストラン「青龍楼」のお嬢様。お金持ちで、美人で、スポーツ万能で、勉強もできる、しかも四拍子そろったスーパー女子大生で、ヤギーが自分の境遇と比較して劣等感に苛まれることもしばしば。
  しかし、当の本人は、至ってマイペースなお嬢様気質で、人の気持ちを読むことに鈍感なため、たまに不用意な発言でヤギーの気持ちを傷つけてしまうことも。
  母方の先祖が孔子ということもあり、時折「論語」を引用して気取った発言をする癖あり。趣味はカラオケ。だけど歌は下手。

登場回 『ネジ工場』『私の大事な宝物』『ナンパ』『食事会』
佐倉井清香(さくらい さやか)

永康6年生まれ 牡牛座B型

  星修大学教育学部所属。ヤギーの親友の一人。ボケの八木橋、ツッコミの佐倉井として研究室では有名。ヤギーに対して歯に絹きせぬ毒舌を吐くが、それは親しみの裏返しであり、ヤギーを誰よりも大切な友人の一人と認識している。
  背が低くて若干太り気味なのにコンプレックスを抱いているが、愛嬌のある顔立ちとEカップサイズの胸と豊富な話題で、男子学生にもなかなか人気な様子。
  体重を気にしているくせに、甘いものには目がなく、独自の調査で星大周辺甘味マップを作成するのが何よりの楽しみ。多分にオタク気質であると思われる。 

登場回 『くしゃみ』『ネジ工場』『ナンパ』『食事会』『充電』 
佐倉井優香(さくらい ゆうか)
  
永康元年生まれ 獅子座O型

  星修学園駅前の不動産仲介業者、城口ウランに勤める女性。佐倉井さんのお姉さん。ヤギーとは、ヤギーの新入生時代に、家探しを手伝って以来の付き合い。ヤギーの友人関係では、ヤギーが全身義体であることを知る数少ない一人で、ヤギーの身体のことを知らない妹とヤギーの間に挟まれていつも苦しい思いをしている。

登場回 『全自動化住宅』
北崎義隆(きたざき よしたか)

永康5年生まれ 射手座A型

  星修大学医学部義体工学科所属の義体医師のたまご。ヤギーとはジャスミン主催の合コンで知り合う。代々外科医の家系に生まれ育つが、本人は血を見るのが大嫌い。それでも親の期待を裏切ることはできなかったため、義体工学科なら、親の希望にも敵うし、人間よりもむしろ機械の製作や修理に近いと安易に考えて義体医師の道を志す。
  ヤギーは、義体工学科の学生なら、義体に理解がある人かもしれないと、カミングアウトも考えていたようだが、ヤギーが全身義体とは知らなかった上でのこととはいえ、不用意な発言が逆にヤギー怒りをかい、以来、ヤギーからは敵として認識されるようになってしまった。

登場回 『初デート』『検査入院』

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください