このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

検察官:
「起訴事実、被告人、住所不定無職、自称下田種男は、被害者、東京府菖蒲区宮の橋坂下3-15、会社員、えー人権保護のため公開の法廷においては仮名Y橋Y子とします、永康**年*月*日、被害者宅に侵入、在宅していた被害者に暴行を加え、正当な合意無く淫行に及んだもので・・・」


弁護人:
「異議あり。公判前整理手続きにおいて開示された調書によれば、被害者は1級障害者・義体化1級となっています。であるならば、その性器はあくまでも疑似性器という機械であって真の性器ではありませんし、被告人の行為によって破損すらしておりません。よって、強姦罪はもちろん、器物損壊罪すら成立せず、住居侵入のみ成立する可能性があります。また、合意無き淫行の唯一の物的証拠とされる被害者の義眼映像データについてですが、加害者がカメラの存在を知る機会無く撮影されたことから、違法な隠し撮りにあたり、違法に収集された証拠として棄却されるべきものであります。また、映像に改竄がないことの証明もありません。さらに、被害者の常人を大きく上回る体重、腕力から推定するに、そもそもそのような犯行が物理的に可能であったのか重大な疑義があります。裁判官の公正なる判断を期待します」

検察官:
「答弁。確かに被害者の性器は人工性器でありますが、その感覚機能は生体脳に接続され、通常の性器と同等またはそれ以上の性感を有し、当然に合意無き姦淫による不快な感覚もまた通常の性器と同等以上であり、強姦罪の要件を構成します。また仮に強姦罪が成立しなくとも被害者の生体脳に心的外傷が残れば暴行傷害罪が成立します。証拠が違法に撮影されたとの異議についてですが、義眼の連続動作は被害者の生活に必要不可欠であることから当然の権利であり、自ら好きこのんで侵入した加害者の肖像権は保護に値しません。映像の改竄がないことについては当該義体製造会社の責任者を鑑定人申請いたします。被害者の腕力に関する疑義ですが、本件犯行の際偶然にも当該義体の内蔵電池が消耗し節電モードであったため・・・」

弁護人:「反対弁論。検察官の論理には矛盾があります。当該義体が節電モードであった場合、性感機能のごとき冗長な機能が本当に動作していたのか、鑑定を求めます。なお、自称被害者が当該義体製造会社の社員であることから、検察官の申請する鑑定人の選定については中立性に疑義があり・・・」

裁判官:「職権により防衛省義体担当官を鑑定人として選定します」

鑑定人・アッカ一尉:「(ヤギーったら60歳にもなって強姦被害、ぷぷぷ。イソジマの給与体系が成果主義になって給料激減したから40年間義体換装できなかったせいでぇ、どんくさー。うちに営業に来たとき苛めすぎたかしら。小さいとき世話になったし、今度だけは助けてやるか・・・)宣誓、鑑定人は」



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