このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください



  お母さんへ

  今日はとても嬉しいことがあったので報告します。
  前にも言ったような気がするんだけど、私、会社が終わった後、同じ課のみんなにタコ焼きの作り方を教えています。部長に見つかるとうるさいから、残業するふりをして居残って、部長が帰った後こっそり会社の屋上に集まって、みんなでタコ焼きを焼いているんだ。私がタコ焼き作るのうまいからって、みんなの先生役でね。
  最初はみんなへったくそだったよ。
  うまくタコ焼きを回転させることができなかったり、中のタコが生焼けだったり、それはひどいものでした。
  でも、エッヘン、私の懇切丁寧な指導のかいもあり、今ではみんなとても上手になりました。
  私は食べることができないからよくわからないけど、みんな口々にようやくヤギーのタコ焼きと同じものができたって喜んでる。
  みわちゃんはね。家で親に作って食べさせたんだって。
  仁科さんは、旦那さんに作って食べさせたんだって。
  みんな大喜びしたってさ。これからもいっぱい作ってくれるってさ。
  お母さんが私に教えてくれたタコ焼きを、だよ。

  だからね。私は思ったんだ。
  私はお母さんになることはできないけど、私の作るタコ焼きはみんなの作るタコ焼きのお母さんになったんだって。
  そうしてお母さんのタコ焼きの子供たちが日本中に広まって、世界中に広まっていくかもしれないんだよ。それってすごいことだよね。

  お母さんありがとう。私にすばらしいものを残してくれて本当にありがとう。
  今日は母の日です。
  精一杯の感謝の気持ちをこめてカーネーションと、お母さんの教えてくれたタコ焼きを送ります。
  是非、美味しくお召し上がりください。

                                             八木橋裕子



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