このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

青春18きっぷを使う前に


青春18きっぷは昭和57年2月に発売を開始しました。当時、「青春18のびのびきっぷ 」という名前で4枚つづりで2000円でした。それから20年間何度かの値上げをしていますが、今なお破格の値段で販売されつづけています。ではなぜこの切符が販売されるようになったのでしょうか?
これは当時の国鉄に原因があります。毎年のように繰り返される運賃の値上げ、自動車などの他の交通機関の追い上げなどで旅客は減少し、国鉄の赤字は累積していました。また当時の地方の列車は無駄が多かったこともあります。客が全然乗っていないのに、長い編成で運転していました。そのような背景で少しでも収入を上げようと考えだされたのが「フルムーン夫婦グリーンパス」、「青春18のびのびきっぷ」です。「フルムーン夫婦グリーンパス」は高齢者の方々に対して、そして「青春18のびのびきっぷ」は若い人達に使ってもらおうと考えました。
その思惑通り(?)にこの切符は様々な形で紹介され、大きな反響を呼びました。特に大垣夜行(現在のムーンライトながら)は日付変更の駅が戸塚(当時は東京発23:25で戸塚が0:06で、日付変更の駅であった)までの普通乗車券さえ購入すれば丸1日使えるということで有名になりました。
現在


では現在はどうでしょう? 地方専用の列車が作られ(701系、E127系など)地元の利用者に見合った編成で運転されるようになりました。結果地方の列車は効率よく運転されるようになりました。旅行者は特急列車・新幹線、普通列車は地元の人達という区分けが出来たと思います。 ここで普通列車しか使えない青春18きっぷはこの区分けに反していることが分かると思います。多分JR側としてはこの切符を廃止したいと思います。(だから利用期間が終わるたびに廃止が噂されるのだと思います)(これは私の意見です。これを鵜呑みにされてインターネット上に「青春18きっぷ廃止」などと流さないで下さい) しかし簡単には廃止できないくらいこの切符は有名になってしまいました。また利用者も鉄道に詳しい人達から多くの年代の人々に広まるようになりました。その結果様々な問題が起きるようになりました。ここではその問題について掲載したいと思います。 このページはこの切符を鉄道ファンだけではより多くの人達に知ってもらいたいということで作りました。そういう人達にも是非読んでください。

 


1)特定の普通・快速列車への混雑集中
大垣発7:02の網干行き、米原発8:25発(休日は7:53発)の新快速姫路方面行きなど青春18きっぷの利用期間中は異様に混雑します。その他特定の列車(夜行快速の接続列車など)は青春18きっぷ利用期間中は非常に混む場合があります。それは前にも述べたように地方などは利用者に考えた編成で列車が運転されています。その為、それ以外の人を乗せる余裕はありません。その結果大混雑するようになった。

 2)遅延時の遅れについて
特急列車・新幹線が遅れると接続列車を遅らせたり、東京・大阪地区では最終列車後に列車を運転したり、さらには列車を開放して仮眠所を設置したりと、様々なことが行われます。しかし青春18きっぷは基本的に遅延にたいしての援助がありません。場合によっては青春18きっぷを利用していても、特急列車に乗せてくれたり、「ムーンライトえちご」が仮眠所になったりとかありますが、こういう場合はラッキーだと思ってください。

 3)青春18切符のルールをちゃんと知らない
前にも述べましたが、青春18きっぷは多くの人に知られるようになりました。その結果、ちゃんとしたルールを知らずに乗る人が増えました。「普通・快速列車なら乗れる」ということで、普通列車のグリーン車に座ったり、第三セクターの列車に乗り入れている快速「みえ」などに乗車して、伊勢鉄道の運賃支払いを拒んだりなど様々なことがあります。もう一度ちゃんとしたルールを分かってください。「もう分かっているよ」という人ももう一度、 「青春18きっぷって?」 を見てください。



以上の問題からさらに大きな問題が発生しましたそれは「青春18きっぷ利用者の主張が多くなった」ということです。 1)の例では「臨時大垣夜行・ムーンライトながらの米原に延長しろ」「姫路〜岡山間に快速を設定しろ」「東京地区になぜ転換クロスシートの新快速を運転しないのか」「夜行急行を夜行快速にしろ」などなど2)の例では「遅れたのだから特急列車に乗せろ」3)の例では「第三セクターも青春18きっぷで乗せろ」などです。


決して私はここで青春18きっぷを使うなと言う気は全くありません。廃止されては困ります。金銭的に余裕の無い私のような学生にとってこの切符がなければ多分旅行など行かなかったと思います。そこで私からのお願いを掲載させていただきます。

1、計画には余裕を持つ。
当たり前のことですが、なにがあるかわからないので常に計画にはゆとりをもっておきましょう。事故などがおきたら大変です。一本遅くとも目的地には着けるような計画を作るようにしましょう。特に最終列車の乗り継ぎなどには注意。

2、乗務員の言うことには聞く
精算を求められたら払う。どうしてもおかしいと思うのなら理由を聞いてみる。確かに青春18きっぷのルールが曖昧なので乗務員がルールを知らない場合もあります。その場合はちゃんと説明できるようにしておく。(例えば時刻表の青春18きっぷのところを見せたりするなど)そしてたとえ乗務員が間違っていても大きな態度に出ないこと。こちらは「2300円でJRに乗っているんだという気持ちを忘れないこと」「こちらこそご迷惑をおかけしてすみません」という一言を言うことでその場が円満に解決できると思います。(すごく当たり前のことですけど)

3、遅れても気にしない気持ちを持つ。
遅れても気にしない「次の列車を待とう」という心の余裕が大事だと思います。この切符は早く目的地に着く為設定された切符ではありません。新幹線では2時間30で行ける東京〜大阪間を9時間かけて行くのですから。でもそんな気持ちをもてない人もいると思います。この文章を書いている私もその一人です。ではそういう人達はどうしたらいいのでしょう。

4、常に別の交通機関を考える。
遅れをどうしても取り戻したと思うなら、特急列車や新幹線など別な交通機関を使えばいいのです。全区間特急や新幹線を使うのに比べて遥かに安いと思います。また地方の主要都市では高速バスも発達しています。それを使えば安く遅れた時間を節約できると思います。

以上の事を旅行をする際に少しでも気にとめていただければ幸いです。

 

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