このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

宇宙怪物を退治せよ(仮) 第0話
登場人物
大統領(イメージ)将軍
アメリカの大統領アメリカ宇宙軍の将軍

プロローグ

白い豪邸が佇むワシントン州都コロンビア特別区。そこから南に見渡すとワシントン記念塔とダイダルベイズンの桜が見える。
宇宙暦50年代の街並みは現在と変わりなく、むしろ錆びた建物が増えた。
車道へ目を向けると自動車は一台も走っていない。ペンシルベニア通りではさくらまつりの真っ最中だった。
そんな中、ホワイトハウスの個室で、ある将軍が大統領に謁見していた。

「ご存じのとおり、地球上の資源は枯渇しました。そこで我々宇宙軍の総力を挙げて、
太陽系のあらゆる惑星や小惑星の地質調査を試みております」

茶髪の将軍が満面の笑みを見せながら声高に言った。
「何か見つかったかね?」
大統領が上目遣いで訊く。
「小惑星の核には多数のレアメタルが確認されています。鉄や炭素質の鉱石が採掘できそうです。
次に惑星ですが、火星は酸化鉄で出来ているので大規模鉄鉱山や、小惑星・地球間の中継基地として利用できます」
にこやかに説明する将軍に、大統領が噛みつく。
「だが、敵国の妨害への対策が問題だぞ。ロシアとは戦争していないが、
アジア連邦がマフィアを我が国への通商破壊に利用している」

「アジア連邦はマフィア大国です。世界の中心を自称していますが、所詮は意地汚いファシスト共に違いありません!」
将軍の口調が荒くなった。冷静になだめようとする大統領。
「心配するな。奴らがどんな卑怯な手段を行使しようが、アメリカは常に世界のリーダーであり続ける」
「承知しております。もしもの時は連中の宇宙ステーションを破壊すればよいのです」
「気は確かか?そんなことをすれば大戦争になる・・・」
唖然とする大統領。答える将軍。
「わざわざ正規軍の手を汚す必要はありません。その為に中立的なPSMCがあります」
「つまり、捨て駒にテロリストの濡れ衣を着せて、宣戦布告なしの戦争が出来る訳かね」
「その通りです。我が国は絶対正義でなければなりません」
「エクセレント!早速計画を実行したまえ」
大統領の鶴の一声を受けて、将軍は右足を引き、右手を体に添え、左手を横方向へ水平に差し出してお辞儀をする。
「光栄であります。大統領閣下」
将軍は軽やかなステップを踏みながら大統領の部屋を後にした。

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