このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください








山線スケッチシリーズ

スケッチと四方山話

古民家、棚田、そして千曲川から信濃川へ
素朴な風景が広がる飯山線の旅をお楽しみください


                 中野市永江 替佐駅よりバス


 唱歌『故郷』などでお馴染みの高野辰之記念館を訪れたました。
その際、記念館の前で面白い建物のタバコ屋さんを見つけ描きました。
今は物置にでも使われているのか、きれいなお花が植えられています。

故郷の歌詞に「ウサギ追いしかの山♪」とありますが、私はずっとウサギと遊んだのではと解釈していました。
ある時新聞の投稿欄でこんな記事を読みました。
それは年配の女性が子供の頃、子供たちが一斉にバケツをたたいて音をだし、ウサギを追い込み猟師さんが鉄砲で撃ったという記事でした。
その記事を読み初めて故郷の歌詞が理解できたような気がしました。

替佐駅での発車メロディは「故郷」です。
駅ゆかりのメロディがあるのは素敵で、木造の駅舎が一層情緒を盛り上げます。


  
   上今井駅前は一面の桃畑

 
上今井駅前の駐車場から見下ろす風景は一面の桃畑が広がり、素晴らしい!
 昼食の用意をを何も持たなかったので、駅前を一巡りしてやっとお店らしきものを見つけ近づくと、
種や苗を売るお店だった。そこで食料品屋さんは無いかと聞いてもないと言う。
 前日お煎餅屋さんを営む友人にもらったおせんべいがあったから良かったものを、
は〜この時は空腹で行き倒れになるかと・・・それからは飯山線の旅ではしっかり食糧、水分を持参するようになりました。

 


   千曲川白のシーズン(中野市) 蓮駅近く

 
飯山線に乗って、一番最初に気に入ったのが替佐駅と蓮駅の間の風景だ。
千曲川が山にぶつかり大きく三度蛇行する。
そんな千曲川畔に寄り添うように点在する古民家集落、その風景の中を飯山線は走る。
飯山線の無人駅はどこも秘境のようで、何度来ても新鮮に思えてならない。

  飯山雁木通り  北飯山駅近く

 
飯山に来た時は北飯山駅近くのビジネスホテル・ホテルノーブルによくお世話になります。
早朝、雁木通りを描いていると、近所の方が絵を見にきたり話しかけられたり、
自分の町が絵に登場する事は素敵な事ですね。
楽しい朝のひとときでした。


     雪の飯山駅

 
平成15年に長野新幹線が飯山駅を通り北陸地方へと伸び便利になりました。
。その為にこの駅より300メートルほどのところに新しい飯山駅ができ
寺町飯山にふさわしい味わいのあるこの駅舎も無くなりました。
飯山線の駅の中では人口も多い方と思われますが、それでも駅前は人もおらず、
わが夫にしばし立っていてもらいました。

   雪の正受庵(飯山市)


 
この年は豪雪地においても豪雪だった。
友人と日帰りで雪景色を描きに来ました。
何時もの冬だったら道路は除雪してありますが、
この時は道路もすごくてタクシーもこの近くの大きい道路までしか入りませんでした。
どこもかしこも白なのでなんだかよくわからない絵ですが、
中央高いところに雪をかぶった茅葺のお寺(正受庵)があります。


   菜の花公園より(飯山市 瑞穂)

 
菜の花畑に入日薄れ 見渡す山の波
霞深し 春風そよ吹く空を見れば
夕月かかりて 匂い淡し

この唱歌がぴったりな風景ですね。
春、菜の花が咲く季節になると大勢の観光客、写真家、スケッチの人たちで賑わいます。

朧月夜の作詞者、高野辰之氏は、飯山市まで8キロの道のりを通学中、
自分の家に近づく頃、あたりは菜種油の菜の花畑、、
山は夕暮れでかすみ、まさにこの歌詞のような情景を感じていたのでしょう。

   信濃平のかまくら 信濃平駅

 
飯山駅から信濃平に向かうバスに乗り、運転手さんに教わりながらかまくらのある会場にたどり着きました。
や〜大小いっぱいあります。
雪国ならではのお楽しみですね。
中で食事もとれるようです。
晴れてとても気持ちの良い日でした。

この会場の最寄りの駅、信濃平駅は駅舎が貨車でなんとも可愛いです。
また信濃平駅で見た光景ですが、娘を(40〜50代くらいに見えました)見送りに来たお母さん(80代?)が何回も何回も「電車に乗り遅れるなよ」と言っているのです。
どうやったら乗り遅れるのだろうと思うくらい小さな駅なので、見ていてとても可笑しかったけれど、娘を思う母心なんだなと思いました。


  戸狩の春(飯山市瑞穂豊)) 戸狩野沢温泉駅近く

 
思えば2007年の春、この絵が飯山線のスケッチを始めるきっかけとなった1作だ。
気まぐれに飯山線に乗ったのだが、その車窓から見る風景には感動しっぱなし、魅せられてしまった。
 段々畑、古民家、千曲川、芽吹きの山、それが駅前で充分味わえるのだから。
 戸狩駅から結構歩いてしまったので、この絵を描き終わる頃には何だか疲れてしまい、
農家の方の軽トラに駅まで乗せてもらいました。その節はありがとうございました。

  阿弥陀堂近くの集落( 飯山市瑞穂

 山を背に細い坂道を取り囲むように懐かしい作りの民家が建ちならぶ。
この道の先には福島新田や映画のロケで作られた阿弥陀堂があります。
静かな山間の集落は何ともない風景ですが、絵を描く者にとってはそそられるものがあります。

      千曲川沿いの集落(飯山市照岡)

 
千曲川沿いの道を車で走っているとこんな素朴な感じの風景が続きます。
この辺はどこを切り取っても絵になりますね。
この赤い古民家のすぐ後ろは線路です。
1日に8往復しかない飯山線ですが、
描いている間に2回飯山線が通りました。
あとは静かな時間ばかりです。


   西大滝駅付近の集落(飯山市西大滝)

 
飯山市最北の駅です。ここは西大滝ダムがあり桜の季節になると見物人も多く来ます。
そのダムを背に集落が広がり、何とも牧歌的な風景となっています。
西大滝駅にはトイレがなく冬に訪れた時には民家のトイレを拝借しました。
また雪かきをしている年配の男性の言葉が印象に残りました。
「暖冬はありがたい!雪かきの回数が減るから」生活の中の切実な言葉なのでしょうね。

     平滝駅近くの茅葺民家(栄村豊栄)

 
春にこの近辺に出かけた際、飯山線の電車の中からこの家を見付け描きました。
同じ家を冬に描きに出かけ、家人にお断りして描かせてもらいましたが、
「この家は古いから来年建て直す」と言っていました。
そのあと東日本大震災の翌日に起きた北信地震でこの家も消えたと駅員さんから聞きました。


    県宝阿部家(栄村大久保)

 
豪雪地帯特有の中門づくりの萱葺き民家で今もお元気な年配の家主が住んでいらっしゃいます。
地震の時は大丈夫だったのでしょうか?
長野県の指定文化財になっています。

   栄村坪野集落

 
この日はあいにくの雨でこの絵はエノキダケを栽培している民家の軒下をお借りして描きました。
帰りにはエノキダケをたくさん買い、
友人たちへのお土産にしました。作っているところで買ったので本当の産地直送ですね。
この集落の手前の柳在家には私の父の実家があります。昔は不便だった栄村も越後湯沢駅からバスで1時間ほどで着き、気軽に来られるようになりました。
栄村内を車の運転をしてくれた夫が「柳在家は都市の方だ!」と言うくらい村内は広く多くの集落が点在しています。
またここに住む男性が「此処は住みやすい!東北のように横殴りの雪で無いから!」と言っていました。
冬の栄村は生活が大変でしょうが、住めば都なのですね。

        初秋の千曲川(栄村北信)


 
森宮野原駅の近く国道沿いに千曲川風景が広がる。
この絵の中の曲がっている川のあたりは津南町です。ですから川も信濃川と名前が変わります。
新潟なのに信濃川??面白いですね。
森宮野原駅には昭和20年2月に日本での最高降雪記録を記した標柱が立っています。
その記録は何と7メートル85センチびっくりですね。
どうやってみなさん生活していたんでしょうか?想像がつきません。


   秋山郷保存民家(栄村堺)

 
津南町から栄村に入り、秋山郷保存民家を見学しました。
江戸中期ごろに建てられた中門つくりで、
秋山郷を襲った飢餓の様子などを紹介している保存民家です。
それにしても豪雪の中、生活するのは大変なことだったろうと思いました。
この日は秋山郷の一番奥の切明温泉に泊まり秘境と言われる秋山郷を堪能しました。

      秘境駅足滝駅付近の信濃川(新潟県津南町)

 
足滝駅に降りたのは初めての事でした。ホームは高いところにあり
雪が積もっていたので降り口がわからず、少し線路の上を歩きましたが、
これは違うと思いホームに引き返しよくよく見ると細い下り道がありました。
本当に秘境駅と言われるのに値しますよ。
ホームからも見えますが、駅前を信濃川が流れています。
駅前でこんな素敵な雪景色が描けるなんて素敵でしょう!
豪雪地帯と言っても道路は完全に除雪してあり歩きやすいです。
電車の本数が少ないので隣の森宮野原駅からタクシーを頼んで迎えに来てもらいました。


   越後田中駅前の風景(新潟県津南町)

 
今年の1月は毎日よく降りました!
晴れたら描きに出かけようと、毎日津南地方の天気予報を見ていたが、1月はずっと降りっぱなしのようでした。
2月に入りやっと晴れの日が!
おかげで駅前でこんな豪雪が描けました。
手前の線路、積もった上に小動物の足跡か!
この日は人身事故で飯山線が不通になり、田中温泉・しなの荘の方がご親切にバス停まで送ってくれました。
ありがたいね!

   豪雪の茅葺民家(新潟県津南町)


 
稲刈りの季節に松之山温泉に行き、旅館の方に旧国道を通ると景色が良いと教わった通りの道をゆくと
津南町の駅の近くに出てきました。その時に見かけた茅葺民家を冬に出かけ描かせてもらいました。
お向かいの家の庭先にお邪魔して、その家の奥様にお茶までいただき、また蕨やゼンマイなどを分けてもらいました。
津南駅からも近くて良かったですが、この豪雪住んでいる人は大変ですね。
そういえば津南町出身の従兄弟に豪雪でヘリコプターで灯油を運んでもらったとか、2階から出入りしたという話を聞いた事が有ります。

この家は秋にも描かせていただいたのですが、その時もお向かいの奥様にお茶をごちそうになりまた蕨やゼンマイを分けてもらいました。
お世話好きな奥さまです。


   龍ケ窪清水(新潟県津南町谷内)

 
苗場溶岩層とその下の魚沼層群との境から湧水があり、その一つが龍が窪です。
ブナや杉で覆われた佇まいは神秘的な感じですが、ちょっと熊でも出会いそうな怖い感じもしました。
日本名水百選だけあって水はとてもきれいです。津南町の谷内と言うところは私のいとこの出身地ですので、
初めて来ても何か親近感がわきますね。

  越後田沢駅ホームからの眺め(新潟県十日町市田中)

 
ローカル線はいいですね。ホームにいてこんな景色が描けるのですから。
次の電車までは2時間、十分時間もあります。駅前も何もなかったけれど少しぶらぶらできました。
この年は豪雪中の豪雪で4月の19日だというのに雪景色です。
4月ですから寒くもなく雪景色が描けて最高ですが、住む人は雪かきの回数が多くて大変だったでしょうね。


   JR十日町駅(新潟県十日町市)

 
この日は飯山線が人身事故の為不通で、津南からバスに乗り十日町まで行ってみました。
昼食に名物のへぎそばを食べましたが、
その感触はゴムを噛んでいるようなそんな感じ、もちろんお味は絶品!でした。

十日町駅まで来ると豪雪地らしい駅舎の雪下ろし風景を描く事ができました。
長い冬の間、この作業が続くのでしょうね。ご苦労様です。何のお手伝いもできませんが、
せめて絵に残したいと思います。
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   越後岩沢駅(新潟県小千谷市大字岩沢)

 
飯山線の駅舎も次々と新しくなっているが、この駅はローカル線の駅にぴったりな雰囲気のある木造駅舎だ。
無人駅を降りたのは私一人、この年は4月になっても雪が多く残り駅の周りには除雪した雪山が残っていた。
駅前広場の先は住宅も多く、この駅前広場では子供たちが遊んでいた。何とものどかな田舎の駅です。

   ホテルサンローラ客室からの眺め.越後川口駅(新潟県長岡市東川口)

 
飯山線に乗り始めていつか終点まで行ってみたいと思っていました。
越後川口駅に降り、駅周辺をぶらぶらしているとホテルからお迎えの電話がかかってきました。
ご親切ですね。一人泊はとかく歓迎されませんが、行きも帰りも車でお出迎えです。
お部屋に着いたのは5時過ぎでしたが、まあなんと言う事でしょうか!お部屋からの眺めが素敵〜!
暮れようとしている中一生懸命描きました。そして朝も早くから描きました。魚野川を挟んで山並みがぐるっと見え素晴らしい!
この絵の左側には山本山も見え、この部屋で3作描きました。
ホテルも素敵な造りで温泉も気持ちが良い!本当にもう少し居たかった!
しかし朝8時57分の電車を逃すと次は何と午後1時台まで電車がありません。
無念な思いで8時57分の電車に乗りました。

クレヨン画・クロッキー・花の水彩画


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