このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

養老紀

この夏休みは勝山への臨海合宿やSSHで大島新島の地学巡検、テニスの合宿でとても18きっぷを買って出かける暇は無い。

そこで、四日市へ帰省することになったのだが、ただ普通でのんびり行くのは18きっぷでやればよいということで一念発起、「銀河」に乗ることになる。

そしてちょうど地理で学習した養老に向かって三岐線の撮影をして実家へと行くちょっと贅沢な旅をしてきた。

品川から出発。初めて乗る寝台列車の到着を今か今かと待つのはとても楽しい。

これが寝台。残念なことに喫煙車上段になってしまったが乗れただけ満足だ。今日は満席だったのでよい(下車時まで隣に人が来た痕跡は無かった)が、閑散期でもこのように各寝台に寝具が置いてあるのだろうか?寝具がこのままずらっと置いてあると思うと寂しい。

そしてant(輪行してみた)をデッキに、こんな感じにひもでくくっておく。ただ揺れがものすごいので後々大変な目にあってしまった。(チェーンが外れた…)

とりあえず各車両を巡って国鉄時代の遺産を記録に残し、とっとと就寝する。荷物置き場は寝台の写真の左奥にあるのだがカーテンで仕切ると不便なため足元に置いたためか少し狭かった。4時半、早めに起床して岐阜へ降りる準備。寝ながらにして移動できる寝台列車への貴重な乗車もここまでだ。果たして次は何時乗ることになるだろう?

岐阜駅で見つけた、十六銀行の広告。実は私のいるクラスが16Rなるところで、ついつい反応してしまった。それにしても素晴らしい出会いであった。

駅を出て、どこかにコンビニでもないかと探してみるのだが見当たらない。豊橋でも近くにコンビにはあるのに、なぜ岐阜に無い?おかげで朝食を買いそびれて空腹のまま一時間近く待つ羽目になる。

二両で混雑している車両にantを持ち込むのはいささか後ろめたさも感じられたが仕方ない。大垣で〝近鉄〝養老線に乗り換え。

養老線の電車はサイクルパスなので車内でantを引き伸ばす。その際外れたチェーンを直すのに苦労して手が黒くなる。また休日の朝早くだったからよかったのだが、サイクルパスは車両が決まっているらしく、私は違う所で組み立ててしまった。まあ何も問題にならずに良かった。

養老で下車、早速養老の滝へ向かってantにまたがる。しかし急勾配が続き、汗が吹き出る。途中何度か吸水・汗拭き休憩を取って、滝に続くすぐ近くから道路が明らかに徒歩専用なのにも関わらずantを手で押して出発してから三十分弱、ようやく滝までたどり着く。

途中でセミヤドリガに寄生されたヒグラシを見て、オオセンチコガネを採集。とてもきれいだ。

なぜそれほど苦労してまでantを持ってきたかというと、このショットを撮影したかっただけだ。養老の滝に来た証明を残そうとおもっのである。

滝のふもとに吸水に来ていたカラスアゲハがいたのでしばし撮影をする。そして滝の水を汲んでロープウエー方面に行って濃尾平野を見渡してから一気に駅まで戻っていく。養老天命反転地を信じられないスピードで下っていくのはスリリングで爽快だ。10分もしないで駅についてしまった。

思っていたよりかなり時間が余ってしまいそうなので駅周辺を散策する。

まず小倉谷を訪問する。ここは写真でもわかるように天井川となっている。谷の下を車が走っているのである。

鉄道も谷をトンネルで通過している。これはトンネルに進入する養老線だ。

谷の様子はごらんのとうりで、水の流れている気配は感じられず、荒地状態になっている。真ん中左寄りに写っているのは堤防上の道とでも行ったものである。ここを探し出すのにはちょっとした苦労を強いられた。

まだまだ時間があるので田んぼの方に向かってみる。

養老山地を望む。

誰もいない道で、一人過ごしているといい気分だ。ただ用水路が護岸されていてあまりいいムシはいなかった。

放置された桑畑に、時代の変遷を感じる。今回見た多くの桑畑はすでに放置されていた。

何とか時間をつぶせたので駅に戻って名物のサイダーとひょうたんを買っていく。養老はひょうたんで有名だというが、このせっかく買ったひょうたんが四日市に着いたときにはすでに無くなっていた。リュックに穴が開いていたという…ショックは大きい。

駅には大小さまざまなひょうたんが飾ってある。この写真ではわからないかもしれない。

ちなみに養老線は10月から「養老鉄道」が経営を引き継ぐので、近鉄線として養老を訪れるのは今回これが最後になるであろう。ということでしっかり硬券入場券を確保しておいた。車内で自転車をたたみ、桑名で乗り換えて富田へ。いよいよ三岐線だ。

ここでようやく朝食(時間的に完全に昼食)を買うことが出来て一安心。三岐線もサイクルパスなのでantを組み立てる。

三里というところまで乗るのだが、驚いたことに途中停車するほとんどの駅に駅員がいるのである。無人駅が2〜3駅も無い。それだけ貨物収入がよいのだろう。しかし今日は休日とあってか、重連単機の回送を1度見るのみだった。

車内ではこんな感じだ。輪行する身にとってはいちいち自転車をたたまなくてもよいので現地についてすぐ出かけられる。

三里駅で嬉しい出会いが。いいナンバーの軽トラである。このような我が家から遠く離れた地で、十六銀行やこの車に出会えたことに運命を感じずにいられない。

いよいよ今回のメーンイベント、北勢線のめがね橋へ向かう途中、なんと大型スーパーを発見。明らかに養老の方が規模としては大きいはずなのに、よくわからないのだがとりあえず食べたり無い食料と詰めたい飲み物を購入。今回実に飲料の消費が多かった。

これが有名なめがね橋だ。日差しを防ぐものが神社の鳥居しかないという変なシチュエーションで〝奴〝を待つ。

こんな感じになる。なんといっても、この編成美にかける編成に過去にタイムスリップしている気がしてならない。今の電車は大体同形式だろう。

こちらは前面形状が違っている。いろんなバリエーションがあって楽しい。

これはカルダン動の連接車!

そしてここを後にして麻生田へ向かう。ちなみに難読駅名である。

ここがその麻生田(おうだ)である。ここから終点の阿下喜まで、橋梁工事のため代行バス輸送となっているが、それにしてもこの閑散とした雰囲気は立て替えられた駅舎とミスマッチだ。

バスが着くと、数名の乗客の姿が。

この写真ではよくわからないだろうが、これが名物762mmのナローゲージである。京急の標準軌1435mmの約半分くらいしかない。

現在ナローが残っているのはここと近鉄内部・八王子線、富山県の黒部峡谷鉄道のみである。近鉄の2路線はともに四日市市内のみを走っており、何かを感じずにはいられない。

そして列車がやってくるが、これは最初に撮影した編成だ。まえ2両は冷房化されているようだが、電動車は3両目なのでもちろん後者に乗り込む。いよいよ釣り掛けを楽しむときが来た!

驚いたことに、車内は非冷房おろか電気さえついていない。関東近県ではありえない光景だ。

もちろん窓は全部全開だ。入ってくる風が心地よい。

一時間ほど吊り掛けサウンドに心酔し、終点の西桑名へ。

北勢線は始点から終点までどことも他社線と接続の無い珍しい路線でもある。西桑名は桑名駅よりもわずかに西に位置して、駅間連絡通路は存在しない。

西桑名から桑名方を望む。実はこの区間は近鉄の標準軌、関西本線の狭軌(1067mm)、そして北勢線のナローと、3つの異なる幅のレールが並んでいる、日本で唯一の場所である。踏切があるので一度そこをわたって実感してみたいものだ。

再び桑名から近鉄に乗り、いよいよ四日市へ。

駅に着いたら父が迎えにくる予定になっているが時間があるので内部線の踏切まで行って撮影。これは八王子線へ向かうようだ。広告が北勢線と同じだが、微妙に顔つきが違う。〝奴〝は見ていて飽きない。

 

短い時間だが、久しぶりにテツ分の濃い旅行が出来た。

 暑くない時期にもう一度訪れたい場所ばかりだった。

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