このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

多摩川カワラバッタ探しその2
(画像少なめで、駄文ばかりで恐縮です)




カワラバッタを採集し、飼育するのはいいのだが、私は元来飼育下手で、♂を全部死なせてしまった。

しかし、♀は産卵しない。

数が少ない種ということは十分承知であるが、どうしても採集したくなってくる所、マニアの悪いところである。だが、前回より採集する気はない。

加えて、飼育中トノサマバッタと交尾していたクルマバッタも、産卵することなく死んでしまった。雑種の可能性を絶たれてしまい、その再現をするべく、

むしろクルマバッタ探索に力を注ぐと誓う。そして、カワラバッタ乱獲阻止として、網を使わないことも決意。己の肉体でのみ、今回は挑む。

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流石に、バッタが活発になる日中は歯が立たないので、出来るだけ朝は早く出発。多摩川は、2週間前より穏やかになっていた。

もう場所は分かっているので、無駄なタイムロスもなく現地入り。早速カワラバッタを探していく。そこここで飛び交うが、やはり朝早いから容易に接近が可能。

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気がつくと、10匹も素手で採集してしまった。もちろん後で選別を行う。しかし、もう採集しても仕方が無い。

そこで、無謀ながら飛翔写真を撮ってやろうではないかと思い立つ。マニュアルフォーカスで、腰をかがめ、バッタが飛び立つ瞬間にそれとなくレンズを向けて撮影。

こんなこと今までしたこともなく、当然ながら撮れない。しまいには、動きが緩慢なのをいいことに、手で捕らえて、手に乗せ、飛び立つ瞬間を捉えるというヤラセに走る。

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写真の上に見える黒いのがカワラバッタである。蒼い翅の美しさは、とても伝わってこない。

そうこうしているうちに気温が上がってきて、素手では戦えなくなってきたのでカワラバッタの選別をして切り替え。結局また3ペア持ち帰る。


ふと、川岸に行ってみると、やっぱり前回より水が引いているのが実感できる。で、石をひっくり返すと、予想通りの結末が得られた。

ざざ虫がいたのである。ざざ虫はまた別項で説明したいが、これは伊那地方の人々がこよなく愛する虫で、佃煮にするのである。

実は、昆虫食にもはまっており、家に帰ったら昨日捕まえたイナゴを佃煮にする予定を立てていたので、これは好都合。カワラバッタの次はざざ虫探し。

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画像が荒いので、いい具合にグロテスクさが軽減されているが、実際は見る人によっては堪らないだろう。しかし、30分以上もかけてこれだけしか集められない。

非常に効率が悪い。イナゴだってそれくらいあれば、場所にも拠るが、昼間でも素手で3桁は採集できる。同時に、世に売られている昆虫食品が高いのが良く分かる。

採るだけでも非効率なのに、作るのもまた大変なのだ(それがいかに面倒かは、後々掲載したいと思います)

とにかく、ざざ虫もこれくらいにして、ひとまず川に放置。下手にリュックに入れておくと水が漏れたり、温度上昇で死ぬかもしれないので。ようやくクルマバッタ探しを始める。

ところどころ、河原にウラギクを髣髴とさせる可憐な花が目に付く。これはカワラノギクだろうか?本種も、ウラギクと同じく絶滅の危機に瀕している。

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この辺りにはたくさん見られることから、きっと保全されているのだろう。あるところでは群生していて、キタテハが吸蜜していた。なんてのどかなんだろう。

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この風景を未来へ残していくために、世間では色々な運動を展開しているが、最も重要なのは直接その風景を見て味わってもらうことだと思う。

写真でしか見たことの無い花が、どんなに貴重で大切なのかを説かれても、それだけでは自分たちとの関連性が見出せないのではないだろうか。

それも、大人数で展開するよりかは少人数でじっくり見て確かめるほうがいいと思うが、それは個人的見解である。

昆虫をはじめ、そういった自然と直に触れ合っていない若者が多いことが非常に残念である。そんな私は暇人ではない。友人がいないわけでもない。

ただ、同じお金を使うなら、ゲーセンにつぎ込むより、映画を見るよりかは、こうやって郊外に行ってぶらぶらする方が得だと考える次第である。


さて、クルマバッタなのだが、どういうわけか見つからない。たまに、はっとするバッタ(クルマバッタは後翅に黒い帯が走っていて、それが飛ぶときに車輪に見えるのである)
が飛ぶのだが、全てモドキでいちいち紛らわしい。今回は不要なので放っておき、六郷土手にもたくさんいるが、とりあえずトノサマバッタの採集をする。

イナゴを捕まえたときは、素手で何匹か捕まえたが、流石に今回は無謀である。何せ、網でさえなかなか捕まえられない。それでも1時間くらい粘って7匹採集。

トノサマバッタの佃煮もきっとおいしいだろうが、その抜群の跳躍力が我が夢を阻む。ざざ虫より効率が悪い。かといって養殖するのも気味が悪い。絶対天然もののほうが味がいいに決まっている。

昼になったので帰路へ(もちろんざざ虫は引き上げ済み)帰ったら佃煮づくりだ!




【採集成績】…カワラバッタ 6exs. トノサマバッタ 7exs. ざざ虫(トビケラの幼虫) nexs.
カワラバッタの飛翔写真を撮るべく、ごろごろして不安定な石河原を歩き回るのは非常に疲れる。加えて、カワラバッタから目を離すとおしまいなのでずっと注目し続けながら移動するのも危なくて大変だった。

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結局ダメダメだった飛翔写真だが、何枚かは何とか移っていたのでトリミングして掲載。

実際に飛んでいる姿は、まさにアクアマリンのようである。ただ、下が石ころなので、見づらい部分は否定できない。



佃煮制作についてはこちらをご覧ください

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