このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

このときは終電で乗り込むほどの余裕も無かったようで、始発で現地入り。入山は7:58らしい。まず、稲村岩で伝説のカメムシを探してみるがいるはずも無く、11時ごろヒルメシクイノタワに到着。この間人に会っておらず、先日の恐怖が見え隠れする。この間、あの奇妙な鳴き声を発するエゾハルゼミを採集。ただし♀。突然草むらから飛び出してくるので、がんばれば素手でも捕まえられる。♂は姿すら見えない。

どちらかというとグロ画像の部類に入りますさて、殆ど絶望的な気持ちでトラップをのぞいてみたが、予想以上に多くの収穫にビックリ!!よく言えば、個体数の豊富さがこの山の自然環境の高さを物語っている。悪く言えばごった煮。やはり雨に降られた影響は予想以上で(二週間の間にも何度も降られたに違いない)底の方で沈んでいるものは腐臭を放っていている。軍手についた雨水が堪らない。

で、で、オサムシの様子はというとエサキが圧倒的に多く、ついでホソアカガネ、クロナガという具合であるが、数匹赤っぽいクロナガが混じっている。その時はあまりに無知で、こ、これがアルマンか!!とビックリ仰天であったのだが、氏は夏には見られない(春一番に出てきて—あたりに雪が残っている頃から—秋にまた出てくる)から、これはクロナガか、期待できるものとしてチチブホソクロナガオサムシの可能性がある。後者だったらアルマンほどではないが喜ばしい限り。なかなか見つけられないらしい。

さて、ウハウハモードで山頂のトラップ回収へ。ところがコーフンを覚ますかのごとく天気雨に降られる。雨男はカッパでも被ってじっとしていれば良いらしいが、そこの結果もまたすさまじい。ここは特にセンチコガネがうじゃうじゃいて、非常に勿体無いが殆ど捨ててしまう。オオセンチはいくらか持って帰ることに。それとシデムシの類も多いが、はっとする赤い胸部のものがいたりと面白い。しかしここでの一番の発見はオオズナガゴミムシであろう。もはやこの類に恍惚の表情を浮かべるのは一種の奇人扱いされてしまうのだが、いいモンはいいのである。当然オサムシもぎょうさん回収。苦労して設置した甲斐があった!

2008727_2.jpg山頂のもう一箇所に仕掛けたコップには、獣につぶされているものも多く成果は少ない。昼食がてらアサギマダラやヒメキマダラヒカゲを採集するが、何とツマグロヒョウモンが!奴らはどこまで進出しているのだろうか。1229下山開始。







網の柄の先端が写ってしまいました
帰りは今来たルートではなく、六つ石山経由で。ここは駅近くまで続いており、バス代を節約できる。しばらくは右が草原、左が森という素晴らしい尾根道を行く。草むらにはギンボシヒョウモンが飛び交い、ナキイナゴがカシャカシャ言っている。林縁にトラップを仕掛けても面白そうだ。しかし贅沢は長くは続かない。



この先どんどん視界が悪くなってきます草むらは段々背の高い木々に追いやられ、1340頃には霧中を進む。熊はこういった天気の時には日中も活動するというので気が引き締まる。そして、お待ちかねの降雨タイム!!前回の教訓で、レインコートを持ってきたので多くの荷物が水害から保護される。ただ、メガネがくもって前が見えないのは危険極まりない。ただでさえ人がいないのに生きた心地がするわけも無く、とりあえず鉄道唱歌を音量MAXで流して気を紛らわす。
近くの山で雷が頻繁に落ちている(光って4秒でズドーン!)ようで困るのだが、それ以上に恐怖を倍増させるのは植林地帯。暗すぎて道が見えない!!霧で遠くも見えないためここをやり過ごすのはガクブルものだった。いくら成果が良かろうと、生きて帰らないとどうにもならない。同定もしないといけない。バス代をケチったがためにこんな目に遭うのか?いや違う、悪いのは雨男だ。

これがモノレール!1432にモノレールを発見した(何だよ、1時間しかたっていないじゃないか—こういう時間は限りなく長く感じる—)。人工物を見かけると急に心が落ち着く。何かあっても助かるかもしれない。この12分後、林道に合流。今日も無事に帰れそうだ。







2008727_6.jpg
驚いたことに、程なく四駆で登ってくる夫婦が。そして、ケータイにメールが入ってくる。一気に現実に引き戻されたようで不思議だ。それにしてもここの景色も良い。箱庭を眺めているようだ。







2008727_7.jpgただここからは思っていたより長い。民家が見えたのでもう終点か?と思うと山の中へ。しかし、ふとヤマグワに目を移したらなんとイッシキキモンカミキリを見出してしまった!いやぁ前々から是非とも見てみたかったが、まさかこんな形で出逢うとは...予想以上に小さく、ころころした♀は、その背中にまとったマークも相まってかわいらしい。さらに、道端で斃れているのはコロギス。触角がこれでもか!といわんばかりの長さで、うまく持って帰れるか心配だ。
2008727_8.jpgラストに予想外の出逢いがあり、無事に駅が見えた時の嬉しさはもう...何が起こるかわからない。それゆえ、虫採りはまだまだやめられそうも無い。

【採集成績】
トラップ…エサキオサ ホソアカガネオサ クロナガオサ チチブホソクロナガオサ? オオセンチコガネ オオズナガゴミ.sp ヒラタシデムシ? ベッコウヒラタシデムシ シデムシ.sp
2008727_9.jpg一般採集…エゾハルゼミ ヒメキマダラヒカゲ アサギマダラ イッシキキモンカミキリ コロギス etc


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