このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

多摩川カワラバッタ探し
(画像少なめで、駄文ばかりで恐縮です)




文化祭にクツワムシを展示することを決めてから、我が心に直翅目への狂気が沸き始めた。

始めの頃は、鳴く「ギス」系に興味があったのだが、それがいつしかカワラバッタへと移り行く。

まるで石の衣を羽織った様な形相からは想像が出来ないほど、飛翔時の美しさは格別だという。

河川の中流域の石河原は、治水工事等で減り行く一方、本種の生息環境も狭められているという。

ところが、多摩川には棲息しているという。2期制学校の利点である期間休業、いわゆる秋休みを利用して、この目で確かめに行ってみた。



南武線を使って目的地まで行くのであるが、流石に平日だけあって結構混雑している。目的の駅を降りてしばらく、通学する高校生の長蛇の列に嫌気がさしてくる。

私を見習ってもっと早く登校してほしい。
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まず、この写真の左側の河原に向かう。しかし、いる気配が無い。というわけで対岸へ向かう。

橋を渡っているとき、目指す河原が見えてきたのだが、いざそこに向かおうとすると、道が見つからない。仕方なく、岸へ出る道を探して築堤を進む。

この土手を歩いていると、たくさんのヒナバッタが飛び交う。あとで採集することにしてひたすら歩いていくが、どこからも岸に行かれそうも無い。河畔林が行く手をふさぐ。

いよいよひとつ先の橋の下まで来てしまう。どうにかやせた河原に出ることは出来たが、そこから河原沿いに戻ろうとすると多摩の急流が行く手をさえぎる。また戻るしかない。

戻りがてら、河畔林の小径を突いてみるが、どれもこれもブルーハウスまでしか延びていない。この時期、スズメバチの巣に鉢合せするとえらい目に遭うのでそそくさと土手へ出る。

そうしているうちにも、花粉は我が鼻腔を容赦なく襲ってくる。のどが痛い。目がかゆい。然れども、目的の地へはいけず。一体何をしにきたのだろうか。


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なんだかんだ言って、その道は橋のすぐそばにあった。灯台下暗しというやつである。ようやく目的地にたどり着いた。後はバッタを探すだけだ。

程なく、目の前にそれらしき影を確認。カワラバッタは、予想していたより小さかった。

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飛び立った瞬間に見せる後翅は蒼く、とても美しい。しかし、ひとたびその衣を隠してしまうと、肉眼で探り当てるのは不可能に近い。実に注意深く追っても、結局は見失ってしまう。

それでも意地で生態写真の撮影を図り、納得できる画を得る。

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写真で見る文には、このくらい接写すれば見出すのは容易に思われるかもしれないが、実際に河原で捜し求めてみるとそれはそれは大変なのである。


加えて、彼らは半径1m以内に私を近寄らせることは稀で、特に撮影のために追い求めているとすぐに逃げられてしまう。そのとき見せてくれる、空にも劣らぬ蒼さはカメラには記録できない。

とりあえず、3ペアを採集。目標は達成され、花粉症の辛さも吹っ飛ぶ。河原を歩くと、たくさんのカワラバッタが飛び交う光景は絶筆に尽くせない。

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帰りがけ、クルマバッタを採集。遠い昔、小学生だったか、六郷土手で一度見た記憶がある。当時からモドキとの区別は出来たが、それ以来?の出会いである。

その後、美術の鱗粉転写に用いるチョウと、ヒナバッタ、ミヤマアカネを採集して本日の行動は終了。



【採集成績】…カワラバッタ 6exs. クルマバッタ 1ex. ヒナバッタ 2exs. ミヤマアカネ 2exs. ツマグロヒョウモン モンキチョウ

休みの日に昆虫採集に出かけたのは夏休み以来だろうか。しかし、バッタの採集は楽しい。オサムシの採集も面白いが、網を使うことが無い。
なんというか、より童心に帰ることができて、狩猟本能というべきか、これが昆虫採集の原型のような気がして、とにかく楽しいのだ。
バッタを追いかけると、ビデオの編集のことも、実力テストのことも、全て忘れることが出来る。












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