このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
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マイマイカブリについての説明をしていきます。マイマイカブリのことを知らない人が読んでも分かるような説明を心がけていますが、意味が理解できない箇所がありましたら、
こちら
まで連絡を下さると助かります。
- 分布
沖縄を除く日本全国に分布しています。日本特産種です。
- 特徴
後ばねが退化しています。また、左右の前ばね(エリトラ)が完全にくっついてるので飛べません。
そのため、歩行に適した細長い脚をしています。住む場所によって体色や体長の傾向が変わってきます。例えば、北の個体は小さく、エリトラに色が乗ります。しかしエリトラの先端の突起:ムクロが消滅します。一方、南にいくほどムクロははっきりと現れ、体色は黒っぽく、体長は大きくなります。
現在、8亜種に区分されています。約50年前までは1種とみなされていましたが、
キタカブリ
と
ホンマイマイカブリ
を交配させたところ子孫(雑種第一代)を残したので、亜種分けが定義されました。
- 生活サイクル
メスは長さ1cmもある大きな卵を、最大8個産みます(※)。その卵から産まれた幼虫の多くは6〜10月までに成虫となり、朽ち木や崖に穴を掘って越冬します。一部、幼虫越冬する個体もいます。春になると越冬した成虫は繁殖を始めます。
成虫の寿命は、個体によってまちまちです。たいていは1年ですが、中には2度目の越冬を経験する個体もいます。まれに3年生きる個体がいるようです。
夜行性で、おもにカタツムリを捕食します。しばしばカブトムシやクワガタムシと一緒に樹液をなめていることもあります。
※幼虫は、カタツムリしか捕食しません。しかし、カタツムリは木の葉や塀の上にいることが多く(負の重力走性があります)、幼虫にはなかなか捕食できる機会がありません。子孫を絶滅させないためには、卵に栄養を蓄えておくことが必要になってきます。
また、一つのカタツムリは幼虫に十分な栄養を与えてくれます。そのため、マイマイカブリは幼虫の期間2回しか脱皮—2齢幼虫が終齢幼虫—をしないでさなぎになります。アゲハチョウは5回、普通のオサムシでも3回は脱皮をします。
この話について”r−k戦略”で検索をしてみると、キチンと理解できると思います。
- さわる時の注意
特に、採集するときには尾部に気をつけてください。顔にかかるととてもヒリヒリして、独特の”匂い”(私はいい匂いに感じます)のある液体—メタアクリル酸とエタアクリル酸が主成分—を噴射します(角度調節もできます!)。目に入ったら失明する可能性もあります。間近で観察したい時は、あまり彼らを刺激させないようにしましょう。
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