第45話
ついに最深部に到達した『オーブ』。彼らを待ち受けていた者とは・・・。
「来たか・・・。」
部屋の中央に立つ者が声を発した。
「誰だ・・・。」
ラティオスが問いかける。
「私は・・・、ミュウツー・・・。」
その者はそう言った。
「あれが・・・『世界を破滅へ導こうとする者』・・・。」
ラティアスが呟く。
「あの狐が喋ったか・・・。」
ミュウツーが言う。
「キュウコンを知ってるのか?」
バシャーモが聞く。
「奴は有名だからな・・・。」
ミュウツーが答えた。
「星を導いただけで、こんなあだ名を付けれれるとはな・・・。」
ミュウツーが苦笑して言う。
「やはりあなたが星を導いたのですね。」
ラティオスが言う。
「そうだ・・・。」
ミュウツーが答える。
「しかし、お前達がここにいると言うことは・・・、奴を倒したと言うことか・・・。」
ミュウツーが言う。
「大した奴ではなかったと言うことか。」
ミュウツーが笑みを浮かべ言う。
「あなたがお兄ちゃんを操っていたの・・・?」
ラティアスが唸るように言う。
「なんだ・・・、お前は・・・?」
ミュウツーが言う。
「事故に巻き込まれて、ずっと行方不明だったお兄ちゃんを、あなたは・・・。」
ラティアスの声から怒りが感じ取れる。
「ふっ、確かに奴は土に埋もれていた。『ラティアス、ラティアス・・・。』と呻きながら。」
ミュウツーはその時を思い出して言う。
「やっぱり・・・。あなたが・・・!」
ラティアスの怒りはさらに上がる。
「私はそれを助け、利用しただけだ・・・。あのままだったら死んでいただろうな。」
ミュウツーが言った。その言葉にラティアスは少し戸惑った。
ラティオス(兄)を利用した事は確かだ。
しかし、ミュウツーの言うことが正しければミュウツーは命の恩人である。
ラティアスは一瞬迷った。彼を討つべきなのか・・・。
「なぜあなたはこんな事を?あなたの目的は・・・。」
ラティオスが口を開く。
「破壊するため。ただそれだけだ・・・。」
少し間をあけてミュウツーが言う。
「それだけのために・・・、なぜ・・・。」
サーナイトが少し唖然として言う。
「そのために生まれたのが私だ。」
ミュウツーが言う。
「私を生んだ者は全てを破壊し、全てを得ようとした・・・。」
ミュウツーは昔を思い出すように言う。
「だが私はそいつの夢になど興味は無かった。だから1人ここに来た。」
ミュウツーが続けて言う。
「破壊するために・・・?」
サーナイトが聞くように呟く。
「そうだ。私を生んだこの世界を、破壊するために。」
ミュウツーが言った。
「僕はあなたを止めなければならない・・・。」
ラティオスが唸る。
「自分が生きるためか?」
ミュウツーが問う。
「僕は、あなたを阻止するためにここに来た。」
ラティオスがミュウツーを睨み、言う。
「ほう、お前にできるか?私を倒すことが・・・。」
ミュウツーは挑戦するようにラティオスに言う。
「そのために来た・・・。世界を、仲間を守るために!」
ラティオスが叫ぶ。その言葉にラティアスの心はゆらいだ。
「ならば試してみるか・・・。世界の行く末を賭けて・・・!」
ミュウツーがそう言うと同時に戦闘が始まった。
それは世界を賭けた戦いが始まった瞬間だった。
あとがき;この小説始まってまれに見る緊迫した雰囲気のお話。
どうしてもラスボスってミュウツーとかになっちゃうんだよなぁ・・・。
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