第30話
『FLB』VS『オーブ』の戦いは続いていた・・・。
「どうした、もう終わりかぁ!?」
リザードンが容赦無く攻撃する。
「くっ・・・。」
防ぐばかりのラティオス。
「時間稼ぎには最適な戦い方だが・・・。」
バンギラスは言いながら破壊光線の体勢にはいる。
「それも終わりだ!」
言ったと同時に破壊光線を放つ。
「しまっ・・・。」
ラティオスは息を呑んだ。もう回避は不可能だ。もうだめか・・・。とラティオスが思い目を瞑っ
た・・・。
が、破壊光線は当たらなかった。直前で誰かが受け止めたようだ。誰・・・?
「フ、フーディンさん!?」
ラティオスは驚いた。彼の仲間であるはずのフーディンが、何故?
「・・・仲間割れか?」
最初は驚いていたバシャーモも、今は冷静さを取り戻していた。
「任務前に対象との接触は禁止と言ったはずだ。」
フーディンは同じチームの2人に言う。
「・・・悪かったよ。」
リザードンが答えた。
「なにをしている、早く行け!」
フーディンがこちらを向いて言う。
「・・・いいんですか?」
ラティオスは思わず聞き返す。
「2度目は無いと思え。」
フーディンは静かに言った。
「有難うございます・・・。」
ラティオスはそう言うとバシャーモを促し、去って行った。
「でも、平和のためなんだ。少しぐらい・・・。」
今更になってバンギラスは弁解した。
「少しは、信じてやれ。彼らを・・・。」
フーディンが言う。
「えっ・・・。」
バンギラスは少し唖然とした。フーディンはどこか遠くを見ていた。
一方、先行する『ZAFT』+2は少しゆっくり進んでいた。
「夢の中にサーナイトが?」
ラティアスが声を上げる。
「らしいんだ。」
チコリータが言う。
「それってサナさんと関係あるのかな?」
ラティアスが聞く。
「私もエスパーですが他人の夢に入り語り掛けると言うのはちょっと・・・。」
サーナイトが言う。
「そっか、別人かぁ・・・。」
ラティアスが呟いた後、後方からラティオスとバシャーモが来た。
「ラティオスさん!バシャーモさん!」
サーナイトが言う。
「無事だったんだね、良かった!」
ラティアスも嬉しそうだ。
「2人であのバンギラスとリザードン倒しちゃったの?」
チコリータが聞く。
「それが・・・。」
ラティオスは広場でフーディンに助けられたこと等を説明した。
「そうだったんだ・・・。」
チコリータが言う。
「少なくとも、アイツは信じてるみたいだぜ。お前の事。」
バシャーモはリクヤを見て言う。
「えっ・・・。」
急にフられたリクヤは少し驚いた。
「少し足止めしたとは言え、奴らはすぐ追ってくる。急ぐぞ。」
バシャーモはすぐに話題を変え、話し終えると勝手に先に進んだ。
「もう、せっかちなんだから・・・。」
ラティアスが呟く。
「あぁ?なんか言ったか?」
バシャーモが振り向いて言う。
「別になんでもないですよ〜。」
ラティアスが言う。
「ほら、ぼっとしてないで、行くよ!」
チコリータがリクヤに言う。
「え、あ、うん。」
リクヤが答え、歩き出す。
厳しい状況だが、まだ焔は消えてない。
あとがき;先に行ったはずなのになぜすぐ追いついたかは気にしないとして・・・。
やっぱり『オーブ』のサーナイトは夢に出るサーナイトとは別人です
(ゲームがこんな展開になるなんて正直想定外だった)。
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