このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
JRの発足から20年。JR四国では毎月20日のみ通用の謝恩乗り放題切符が 発売されている。 こう書くと、ずいぶん入念に準備をしていたかのように思えるかもしれないが、 前の日曜日に思い立って切符と時刻表を購入し、月曜の仕事帰りに駅の窓口で 指定券を押さえたという気楽な計画である。 この謝恩切符、普通列車用と土佐くろしお鉄道も乗れるグリーン車用の2種類が発売されて いる。今回は土佐くろしお鉄道の乗車も兼ねるため、8,800円のグリーン車用を用意した。 グリーン車用の切符を買ってしまったので、もちろんグリーン車に乗る。正規のグリーン車に乗るのは 初めてである(湘南新宿ラインの普通車扱い時代に乗ったことはあるが・・・)。 指定券の番号は、1Bだった。時刻表巻末の座席配置図でしらべてみたら、 一番前の席だったので、これは前面展望が開けるか、と思って乗車すると、 | |
↑特急「しまんと」 | ・しまんと1号 善通寺6:35発 イスの目の前には、デッキとの境の柱があった。(T_T 1A席からでないと前面展望は開けないらしい。 振り子を利かせた2000系はサクサクと進む。阿波池田を過ぎたあたりから、山々に霧がかかって 車窓は幻想的な雰囲気に包まれ、目を見張るが、だんだん眠くなってきた。 高知で乗客が減り、ローカルムードが増してくる。 線路も1線スルーではなく普通のY字分岐にかわって列車の速度が落ちてきた。天気は上々、 気分もノってくる。 |
・土佐くろしお鉄道 中村発車時に持参したノド飴を口に放りこんだのだが、これがまたヒドイ味の飴で、 少し気分が滅入ったが、四万十川を渡り、なんの変哲も無い田園地帯を列車は走る。 この飴、未開封のがあと2つ家に残ってるよ・・・。 10:33、宿毛着。時間はあまり無いが、改札を出て駅の売店を冷やかす。 売店に並んでいた中には旨そうな弁当もあったのだが、この後、中村での1時間の待ち時間を 利用して食事をするつもりなので買わない。こんど何かで来る時は、何か買おう たった7分間の滞在を終え、10:40の列車で折り返す。 当初は宿毛からバスで宇和島へ抜けるという魅力的な案も考えてはみたが、窪川まで引き返して 予土線に乗らねば、出かけてきた意味が半減するので仕方が無い。中村から四万十川沿いに 予土線の中間駅、江川崎へ向かうバス路線も、非常に魅かれるものがあるが、予土線の 全線に乗れなくなるので、同様に不許可である。難儀なことだ。 | ↑宿毛駅にて |
・中村 ちょっと一息 結局、ラーメンセットにしかありつけなかったが、中村駅待合室でちょっと良いものを見ることが できた。「鉄道の日」ということで、沿線の小学生の書道とか絵が飾ってあったのだ。 ←書道 水彩画 | |
↑車窓の太平洋 | |
・予土線へ 12:10中村発。 窪川まで乗っても予定している列車に十分間に合うのだが、終点の1つ手前の若井で下車をして、 20分程の待ち時間の間、四万十川にかかる沈下橋を渡ったり、駅の近くを散歩した。 ここは予土線との分岐駅である。 列車は四万十川に沿って、と言いたいところだが、蛇行する川筋を半分無視してトンネルと 鉄橋で四万十川を突き抜けて行く。50分程で江川崎に着いた。今までは四万十川を下って きたのだが、ここで本流と別れ支流に沿って上ってゆくのに、次第に周囲の山が穏やかになり、 川沿いの平地も広がってきた。上流に向かっているはずなのに不思議である。 まぁいいか、と思ったのが運のつき。気がつくと予讃線と合流する北宇和島に着くところだった。 終点の宇和島まであとひと駅。 | |
・松山まで 宇和島駅前で牛の銅像を見て、ジャコ天を買った後、若干後ろ髪を引かれる思いで、 特急「宇和海」18号に乗車する。この列車で伊予大洲まで50分、みかん山の間を縫って走る。 伊予大洲で名残惜しい特急列車(というかグリーン車)を降り、海岸線経由の松山行き普通を待つと やって来たのは、キハ58+キハ65の2輌編成。喜び勇んで乗り込んだ。 松山で1泊して予讃線の内子経由の線路に乗れば、JR四国完乗となって都合が良いのだが、 敢えて帰宅する。未乗区間が残っていれば、また来る楽しみが残るではないか。 既乗車区間であっても、その気になれば何度だって乗り来るのだけれど。 | |
・車中の晩餐 松山を17:55に出る高松行きの普通列車はキハ58+キハ65の2輌編成。 土讃線の高松〜阿波池田間の列車に使う車輌の出・入庫系統である。 本音を言えば、この列車に乗りたいばっかりに、香川へ帰るのである。 平日はどうか知らないが、土曜のためか空いていた。先ほどはキハ58だったので、 今度はキハ65の車内で1ボックスを占領して、まずは夕食。 そして、差額が缶ビール(でも淡麗生)に化けた。 宇和島で買っておいたジャコ天竹輪をかじりながら、淡麗生を飲む。しかもグリーンラベル。 うわ、オヤジがいる。 中年オヤジ | |
・終列車 やたらと対向列車の待ち合わせやら特急退避とかで長時間停車(といっても10分とか15分)が 多いような気がするが、キハ58が近郊型改造されて便所が撤去されているので、 たとえ350mlでもお酒飲んだ身にとっては、駅の便所に駆け込むのに都合が良い。 伊予西条で後続の「いしずち」34号に追い越された。これが車中2泊の3日目くらいであれば、 散々迷った挙句にフラフラと乗り換えていたかもしれないが、半分意地をはって乗りとおす。 仮に乗り換えておけば、22時半には善通寺に着ける。 21:29、伊予西条発。ここから先は普通列車としては最終である。 昼間でも 一般の人に、列車に乗るために旅行をする理由を説明するのは手間がかかるのに、 風景も見えない夜間ともなればなおさら言葉に困る。 | |
敢えて言葉にするならば、鉄道旅行は温泉なのだ。 楽しむため、時には癒されるために乗っているのである。酒だって飲むさ。 前の座席に靴を脱いだ足を投げ出しボックスシートに腰掛けて、キハ65の絶妙な揺れに 揺られながら、呆゛ーっと風景を眺める。手元の活字に目を落としてもいい。 音楽聴いてリラックスするのもアリだ(走行音が聞きたいので今はしないが)。 都市圏に近づいたと言うべきか。観音寺を過ぎたころから乗ってくる人が多くなった。 23:19多度津着。高松まで逝ってしまいたいが、そうすると帰る手段がなくなってしまうので、 涙をのんで列車を降りた。 ところが次の土讃線は1時間待たないとこないのである。さすがに、ここまで来ての1時間は 若干厳しいものがあるな、と考えるうちに心が折れて、駅前からタクシーに乗ってしまった。 善通寺駅前まで時刻表の数字で6㌔。タクシー料金2000円。高い特急料金だ。 |
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