このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

逃げるな、前へ!

早いものでもう12月。体育講義の野球の試合もいよいよ12月24日が最終戦 となった。この講義が終われば、この次にいつ野球をするか知れたものではない。

で、やはり話は最終回から始まるのであった。 表の攻撃は相手チーム、得点は6-3で味方のリード。ここを押さえれば勝ちなのだが 、この時すでに大波乱劇の幕はあがっていたようである。

最後の試合でしかもある程度リードしているということで、物好きな人が次々と マウンドにあがることになった。ほぼ打者一人毎に 一人目、二人目、三人目と投手が交代し、この回三人目の投手がマウンドを降りた時には 一死満塁。ここで飛んで火にいる夏の虫冬の虫、四人目の投手は 私である。

なにもこんな場面で無理して登板しなくてもいいのに、アホな話だ。
それでも一年間続いたこの講義で初めて、いや生まれて初めてキチンとしたピッチャーマウンド にたって、打者に対して投げる事になった。

 

ボール、ストライク、ファール、ボール、ボール、カキン

 

レフトフライ。しかし浅かったので犠打にはならず。 ヨッシャー。これで二死満塁だ。

次の打者(まだ投げる気か!)

 

ボール、ボール、ストライク、ボール、ボール
 

 

四球で押し出し。6対4

そろそろ遊んでいられなくなってきたので、ここで交代。味方のエースが再登板である。 しかし左飛でアウトは1つとったし、まぁいいか。 少し楽しい気分でマウンドを降り、外野(またセンターだった。なんて不吉な) 守備についた。

次の打者 カーン

ピッチャーの横から二遊間をやぶってセンター前ヒット。3塁走者が還って点は とられたが、まだ1点差だ。

 

アレ?

 

 

 

 

 

 

ボールが

 

 

 

 

 

 

後に

 

 

 

 

 

 

転がって

 

 

 

 

 

 

転がって

 

 

 

 

 

 

転がって

 

 

 

 

 

 

………

 

 

 

 

 

 

 

 転がっていく

 

 

 

 

 

 

グローブの中にあるはずなのに。

 

 

 

 

 

 

アレ?

 

ライトの素早いカバーのおかげで、なんとか二死2、3塁、6対6。 結局次の打者はショートフライで3アウト。しかし時間切れで裏の攻撃は 行われず、同点のまま試合終了となった。

それにしてもこのウカレタ気分はいったい何だろうか。今日は打撃も無安打に 終わったのに、ピッチャーをした嬉しさでそれほど悔しくない。

エラー?

どうせ今日は無安打だったし、どん底状態にさらにオチをつけただけだ。 ほとんど悔しくない。それだけ投手は楽しかったらしい。

ええやないの楽しければ。気分相殺で人間は便利な生き物だと思う。


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