このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
10月29日(火)、いつも通学に利用している南海高野線の電車が終点の難波に 到着する少し前に、窓の外にふと目をむけて大阪球場のレフトスタンドと バックスクリーンが、工事用の防音幕に覆われているという事実に初めて気が着いた。 ついに解体工事が始まったのだ。ここ数年、大阪市浪速区の南海電鉄難波駅西側地区では主の去った大阪球場を 解体し、跡地にオフィスビルを含む複合施設を建設する再開発事業が進行していた。 私が通学に南海難波駅を利用するようになって今年で5年目、 実際、内野及びライトスタンドは数年前のかなり早い時期に撤去済みであった。 しかしスタンド下と裏手に中央競馬会の募金施設を抱えた レフト側外野スタンドとバックスクリーンは、一時期住宅展示場として 使用されていたグラウンド跡にオフィスビルが姿を 現すころになっても、週末毎に多くの人が集まるスペースとして現役の座にあった ことも確かだったはずだ。
「ここがある間は、スタンドは大丈夫」密かにそう思い、 オフィスビルの谷間にバックスクリーンが聳え立つ、未来の奇妙な風景を想像したものだ。しかし最近ふと立ち寄ってみると、ご無沙汰している間に難波場外は 新設オフィスビル地下の核シェルター内へ移転して新装開店しているではないか。 甘かった。
こうなると、存在意義を失ったバックスクリーンとスタンドが、 早速取り壊しの運命となるのも道理というやつである。
非常に残念ではあるものの、こうして都市の更新が繰り返されるのも人の世が 活動を続けている証拠ではある。「本当に現役時代」の大阪球場には縁が無かったが、 中モズ球場(南海ホークスの二軍練習場だったという噂)の解体と同じくらいに衝撃的な風景であった。
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