このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

関東で駅を思う
新宿駅で、湘南新宿ラインの電車を待ちながらふと思った。
この駅は、なんだか変なかんじだ。
乗降客数日本一、ひょっとしたら世界一かもしれない、日本を代表する「大」が つくターミナルである。そんな駅をつかまえて「なんか変」というのも大それた話だが、 「奇妙」な変ではなくて、「奇怪」な方の変なので見過ごすわけにもいかない。

何が変なのか。
別に湘南色の211系と埼京線の205系とりんかい線が、同じホームに止まっている からというのではない。そんな些細なことならば、大阪環状線などではうん十年前から当たり前の 話だ。
この日は東口の地下からicocaで改札を通って1、2番線に向かったのだが、 工事中ということもあり、非常に複雑な通路であった。普通、駅のホームというのは、 手前から順番に並行にならんでいるものである。それが新宿駅のホーム案内は、 まるでヒトデか紅葉の葉っぱのように、四方八方に広がって、それぞれの先に5番線だとか 1番線だとか、書いてある。 そいういえば、特急列車の発着する5番線(だったっけ?)なんか、 隣の代々木から歩いた方が近いんじゃないかというような位置だ。 ここまできた時、昨夜のアルコールが残っていたからなのか知らないが、ふと思った。

この駅、溶けてる。

この場合の「溶けてる」の形容詞が当てはまるのは、例えばナウシカの巨神兵だが、 けっして「腐ってやがる」と言っているのではない。

ホームが様々な所に広がっている駅ならば、新宿に限ったことではなく、上野はいうに及ばず、 東京駅の立体的な広がり様など新宿以上である。それが新宿だけ溶けてるような感じを 抱かせるのはなぜだろうか。

新宿には正面といえる場所が無い。西口にそびえるデパートは、京王・小田急の 正面だし、東口にしてもこれが新宿「駅」(駅ビルの商業施設ではない)だ、 と言えるような、堂々とした入り口が見あたらないのである。
このあたりに、そう感じさせる原因があるのではなかろうか。東京駅レンガ駅舎や 上野駅のようなしっかりとした核心を持たず、なんだか無秩序に?工事を続けながら 水平方向へ流れ広がっていく、これを溶けていると言わずしてなんと言おうか。

とりあえず、日曜の昼前、アルコールでふやけた頭で考えたことを、しばらく 熟成させたらこうなりました。最近、書くことの方向性が変わったじゃないか、とかいう 指摘もいただきましたので、少しへ理屈をこねてみました。


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