このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
世の中に、分厚いだけで取扱いの面倒な(と一般的に思われていると、個人的に邪推している) 書物は数あれど、B5判厚さ数㎝の大判時刻表は、かなり右翼に近い場所に位置している のではなかろうか。
持ち運びに便利なポケットサイズのものならばともかく、B5版の大きさに千数頁の厚さともなると、 持ち運びの困難さに約1000円という価格も手伝って、身近に感じる機会は多くない。 時刻表がいくら「毎月時刻は変っています」と謳おうとも、 ましてや、パソコンは言うに及ばず携帯電話を使えば気軽に時刻や運賃の計算ができる昨今、 いや、それより遙かに以前から、家庭備え付けの時刻表は、「数年前の出張の時」にでも 「たまたま買ってみた」、数ヶ月どころか数度のダイヤ改正をくぐり抜けてきた、 (その割に手垢がついていない)ツワモノが頑張っているという状況が続いている。そんな大判時刻表ながら、どこの本屋に出かけても大概は2種類のものが並んでいる。 そう、あの、「JR時刻表」と「JTB時刻表」の2種類だ。
そして、どちらを愛用しているか、また、どちらが使いやすく優れているか、という、 国鉄のJR化以降(一説には国鉄時代の「交通公社の時刻表」と「大時刻表」の時代から) 一般読者を置き去りにして、鉄道愛好家の間でつづく不毛の戦いは今日もまだ終わらない。ただし、冷静で醒めた視点から見てみれば、実はこの論戦、すでに終わっている。 交通公社の時刻表(現 JTB時刻表)が「国鉄監修」の錦の御旗を掲げたのも今は昔、 現在、JRの駅窓口や旅行センターに並ぶのは、(確認した訳ではないが)全てがJR時刻表である。 加えて、おもむろにJR時刻表のページを開けば、そこに並ぶ数字の列は、優等列車は赤、 普通列車は黒、臨時列車は斜字、と色鮮やかに区分されて非常に分かりやすい。
欄外に目をやれば、そのページ毎に、乗り換え路線の掲載頁が記されていて、 一々巻頭の索引地図をめくらなくても、次にどのページを見ればよいのか一目瞭然である。それに比べてJTB時刻表の数字は黒一色であり、乗り換え案内も一部の頁にしか載っていない。
なんたる差か、と思う。
だが、しかし。
しかし、である。
優等列車たるもの、変な色違いよりは、やはり黒い縁取りのある数字の列で、 堂々と掲載されていてほしい。
100系に始まった二階建てマークは、東海道本線のグリーン車であっても、 もうしばらく健在であってほしい。
第一、山陽本線が途中でぶった切って載っているような時刻表を許すことはできない(今は続けて 載っているけれど)。
乗り換え路線にしたって、指が、指先が乗り換え先の掲載頁を覚えているのだ(錯覚)。それを、いまさら変えられるはずが無いではないか(傲慢)。
まあ、50Hzと60Hzみたいなもんだ。
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