このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
高野山へのお礼参り 空海は西暦八百十五年高野山に真言宗の総本山金剛峯寺を開いた。そして八百三十五年六十二才で入定された。しかし、その後も 不死の命を得て活動を続け、高野山の奥の院から衆生を見守っていると信じられている。四国八十八カ寺歩き遍路した人は高野山へ お礼参りをするのが一般的である。その慣わしに従い小生も高野山へお礼参りを行った。 第一日目(五月三十一日) (日立から高野山金剛峯寺まで 徒歩距離23km福地院宿坊で一泊) 五月三十日夜二十二時三十四分発 この日は水戸までで十一人の乗客を乗せ二十三時には消灯となっていたが、なれない姿勢と車の振動音で良く眠れず、うとうとしている 間に朝六時を過ぎ、大阪難波には予定より三十分早く七時ニ十分に到着した。外は雨降りであった。 近鉄難波から南海電鉄難波へ移動し、南海電鉄高野山線の橋本行き急行列車に乗り、橋本で乗り換え高野山の登口である九度山 駅に九時三十分に到着した。 九度山駅を高野山へ向って出發して間もなく雨足が強くなってきたので消防センターの軒下を借り、雨具完全防備姿に着替え、雨の中 を歩きだした。 間もなく弘法大師空海の母堂が晩年過した慈尊院に着く。 ここから石段を上った所にある丹生官省符神社を参拝した。この神社には雨降りにも関わらず十人の人達が参拝中であった。 ここを過ぎると急坂になる。竹と杉の林の中をコンクリート舗装道路を登る。竹の落葉が水を含み滑り易く、金剛杖でバランスを取りながら 登る。雨引山(標高700m)の中腹を過ぎると竹、杉の木はなくなる。曲がりくねった山道からは晴れた日には橋本中心街を始め紀ノ川 の風景が良く見えるはずなるも今日は霧雨で50m先も見えない。 途中で関西電力の五十万Vの送電線と鉄塔が霧の中から見えて来た。昔、関係した仕事の事が懐かしく思い出された。 慈尊院から高野山壇上まで約20kmある距離を昔から天皇はじめ有名な人達が高野山へ巡礼する時の道標として卒塔婆型の丁石道 標を設置されている。 これを町石道と言い一丁(百九m)毎に設置されておリ、これを頼りに登って行く。 丁石道標 雨引山の九合目辺りから九十九折の急坂は終わり、平坦な土道を杉樹林の中を進む。雨具の下は汗でびしょ濡れで蒸し暑く、上雨具の ボタンを外し、空気を体内に入れながら歩く。 六本杉峠、笠取峠、を過ぎて大きなコンクリートの二つ鳥居に着く。急に霧が晴れて来て、下界が良く見える様になってきた。 二つの鳥居 ここの休息所で小休止し、お茶を飲む。この辺りの道は土と杉の落葉と水で登山靴がぬかるみに埋まり歩き難い状態であった。 やがて地蔵堂、笠木峠を通り、標高500mの車道に出て矢立に着く。既に十二時を過ぎている為、餅売店に入り、甘い餅で昼食とした。 雨が上がり雨具を脱ぎ、気持ちを引き締めて残り6kmの登りに入る。1km近く急坂を進むと袈裟掛石、押上石等を見ながらゆるやかな 杉樹林道に入る。途中でハイキング中の親子五 人連れににあった。 最後の1kmの急坂を登り切ると朱塗りの大門に出る。歩き始めてから五時間三十分過ぎていた。 高野山大門 大門を潜り抜けて直進して、やがて修繕根本道場の壇上伽藍に入る。 次に真言宗の総本山である金剛峯寺に向った。歴史を感じさせる古刹であるが意外と総本山としては小さい寺に思えた。既に十六時を 過ぎていたので急いで今日の宿の福地院に入る。 第二日目(六月一日) (高野山奥の院から 朝六時から朝の勤行に参加した。 金剛峰寺主殿 四人の僧侶により読経が始まる。ドイツ人十五人を含めて約六十人が参加した。約三十分読経の中で小生がお願いした家内を始めお世話になった故人の供養も行われた。 八時三十分宿坊を出発し、奥の院に向う。2kmの石畳参道は二百年以上の樹齢の高野杉の中に三十万基の墓石や供養塔が両脇に立ち並んでいる。御廟橋を渡り、灯護堂の奥にある御廟の前で参拝作法に従って参拝した時は張り詰めた霊気を感じた。 奥の院参道 納経所で朱印と墨書を頂き、次に金剛峯寺に戻り、同じくお礼参り終了の納経書の印を頂いた。 帰りはリムジンバスでケーブルカーの駅まで行き、極楽坂駅に下り、南海電鉄で橋本へ移動した。橋本駅前の食堂で昼食をとる。橋本からはJR和歌山線で十三時十八分着で船戸駅へ移動した。 タクシーで七才年上の従兄に面会に出向いた。従兄は真言宗の二つの寺の住職を兼務しており、 六十年振りの再会である。お互いに元気で昔を偲び今迄の人生の経緯を語り合った。 二時間ほどの短い面会であったが懐かしい時間であった。またJR和歌山線で船戸駅より和歌山駅に移動し、チサンホテルで一泊した。 |
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