このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
日本の遍路の歴史をしらべ四国88箇所に向かう 遍路の歴史 日本に於ける祈りと巡礼・遍路について調査してみた。仏教が日本に伝来する以前の縄文時代には住民は夏は山に住み、狩猟で生活し、死者は山に埋め、祖先を礼拝し、冬は暖かい海岸に降り漁労で過ごし、死者は海中に葬り礼拝をしていたと考えられている。これらが修験者の山岳信仰や補堕落渡海信仰に発展し、仏教が伝来してからは山や海岸の霊場で修験者や修仏者が修行する行場になった。修業には読経、瞑想、断食、歩行、不眠業、水打業等の業法が宗派により異なるが奈良時代末から平安時代には固定された場所でプロの修行者の修行が主であった。平安時代の末から鎌倉時代にかけ、各修行者が霊場間を歩行業で繋ぐ辺路(後に遍路となる。)修行が始まり、それが組織化して四国八十八ヶ寺の遍路や西国三十三霊場巡りに発展したと言われている。四国八十八ヶ寺の発展には当然奈良時代の弘法太子空海の修行が大きく関係している。室町時代に入ると高野聖の日本全国歩行遊行が盛んになるに従い、巡礼・遍路もプロ修行者から一般民衆に広がり、江戸時代には武士、農民、商人、町民の悩みの解決や願望を適える手段として盛んになってきた。 有名な四国八十八ヶ寺の遍路と西国三十三霊場巡りを比較して見ると四国遍路は白衣を着て、菅傘を被り、金剛杖を持つ、巡礼姿が殆どで心から生老病死の悩み解消を求める姿が多いが、西国霊場巡りは学業成就や事業盛大などの現世利益を求め平服で参拝する人がほとんどである。 巡礼・遍路の目的を叶えるためには霊場での参拝と霊場間の歩行業も重要な要素である。 四国八十八ヶ寺歩き遍路は歩き遍路道の地図や道案内が確立しており、静かな農村道や山林道での歩行は修行の苦楽が味わえると共に地域住民の手厚い接待に、仏教信仰の慈悲心を感ずる事が出来る。 一方、西国三十三霊場巡りの歩行巡礼は歩行地図や道標が完備されておらず、また霊場間の距離が長いためバス、公共交通機関や自家用車での巡礼のみと考えられる。 そこで、小生の家内の滅罪巡礼は四国の農道や山林道を歩行し、修業者の苦行の姿に少しでも近付きたいこと、また四国四県の住民の暖かい慈悲の心に触れ、人間の本質を見直してみたく思い、四国八十八ヶ寺歩き遍路を実施する事に決めた。 四国八十八ヶ寺歩き遍路を決めた時は具体的な知識は全く無く、約二ヶ月間、インターネットと日立市立図書館から借用した参考書を調査して小生独自の歩き遍路の準備と日程計画を立案した。その内容を以下に説明する。 遍路用品の調達 遍路する為には一定のスタイルがある。最低限服装としては白衣、金剛杖、菅笠、輪袈裟、持鈴が、必要である。 寺に入って行う参拝は参拝手法に従って必要な用品としてロウソク、線香、及び点火用ライター、納め札、経本、これらを短時間で順序良く出しいれが出来る様に持ち歩く頭陀袋も必要である。これらは一番札所霊山寺売店で現地調達することが一番良いと思う。 白衣には背中に「南無大子返照金剛」と記され、一目で住民よりお遍路さんと認めてもらえる正装である。昔は巡拝の途中で命が絶えた時の死装束を意味していたと言われている。 金剛杖には「同行二人」と記され、遍路旅には弘法太子空海が金剛杖で同行し、遍路の安全を守ってくれると信じられており、宿に到着すると、まず最初に金剛杖を洗い、床の間に保管せねばなりません。実際には金剛杖と持ち鈴で歩行のリズムを取り、長い距離を気持ちよく歩行できる。また山の登り降りには背中にリュクの重量を背負っているので金剛杖で体重のバランスをとりながら歩く事が大切である。 菅笠は日除け、雨除けとして歩き遍路者の必需品である。笠の上には「迷故三界城(迷うがゆえに三界は城なり)」「悟故十方界(悟るがゆえに、十方は空なり)」「本来無東西(本来、東西は無く)」「何処有南北(何処んぞ、南北あらんや)」と記されている。 昔の正装では白ズボン、白地下足袋であったが軽登山歩行に適した靴と悪路でズボンが汚れることを考慮したズボンの準備が必要である。輪袈裟は遍路服装のネクタイであり、数珠と共に遍路の必需品である。長い日数、歩き遍路を行う事を考え、当然着替え一式、雨天での歩行も考え、雨具の準備も必要である。風の強い海岸、山道、トンネル内の対向車からの風圧等を考えてポンチョではなく、透湿性があり、身体に密着したレインコートとザックカバーを用意するのが賢明である。 これら持参物は何時も身につけて歩くので、如何に軽く出来るかに配慮し、用意する事が大切である。 一覧表に纏めると次の通りである。
読経文の意味と各寺の歴史 遍路参拝作法では、一つの寺で必ず本堂と太子堂の二回読経する事に決まっている。 心をこめて読経するにはお経の意味を理解しておく必要がある。開経偈、懺悔文、三帰、三鏡、十善戒、般若心経、十三仏真言、光明真言、太子法号、回向文、の十種の読経を行う。 また、各寺の御本尊を含めた創建時から今日までの歴史と見所を参考書で調査し、要点をまとめて文章化しておき、参拝時には要点を確認しながら参拝した。 |
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