このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

        

                      キノコ栽培入門記 
                                                            42年卒 高野宏彦
                         

はじめに

 小学入学時は住所が東茨城郡河和田村、家の周りの鬱蒼としたケヤキの大木と杉林に囲まれた場所で遊んでいた。

梅雨時には家の周りの林にキノコがでていたものでした。しかし、食用にしていたのは「チタケ」「センボンシメジ」くらいのもので、あとは足で踏みつけて潰してしまう専ら遊び道具としての認識しかありませんでした。

 定年を目前に故郷に帰り季節限定で発生する植物やキノコを思い出していたとき、高校の同級生の田宮氏に誘われて、会津の桧枝岐村キノコ採りに誘われました。ビギナーズラックというのでしょうか、直径1メートル以上、長さ20メートルほどのブナの倒木に「ナラタケ」が木肌一面に密生している場所へ案内してもらいました。

この1本の木に発生しているキノコを収穫する喜びがきっかけでキノコ採集にはまってしまいました。






桧枝岐村ならたけ

 ブナの倒木に発生した「ナラタケ」

 東北地方では「モダシ」「サモダシ」とも呼ばれ、

朽ち果てる直前の古い倒木に生える強いキノコ

です。

塩漬けにして保存できる。

 この友人にまたしても紹介されたのが、那珂市にある茨城県林業技術センターが行っている林産物に関する調査研究の一環として、「キノコ」生産研究でした。

自然条件が満たされないと旨く発生しない各種のキノコが、栽培技術と少しばかりの努力により生産できることが判り、それを収穫して食べる面白さも増してきましたので鹿嶋先輩のホームページを利用させて頂いて状況を時々寄稿いたします。

 

キノコの品種

 キノコの菌については生きている植物から栄養を採る菌と、枯れた植物から栄養を採る菌に大きく区分されます。

前者を菌根菌と、後者を腐生菌と総称しております。

生きている植物と共生している代表的なキノコは「マツタケ」をあげることができますが、人工栽培は非常に難しいといわれております。

これに対して枯れた植物が腐って風化する際にキノコを発生させるものは、比較的研究が進んでおります。

現在市販されている養殖キノコの代表的な品種は「シイタケ」「マイタケ」「ナメコ」「ブナシメジ」等で、スーパーなどで見かけると思います。

また、その栽培方法も丸太に菌を植え付けてそこで収穫する「原木栽培」と、おが屑に菌の栄養成分(米ぬか等)を混ぜ固めたものに菌を植え付けて収穫する「菌床栽培」に分けることが出来ます。

特に菌床栽培は、収穫までの日数が短くてすむということや、収穫する個体の大きさが揃えられるという利点もありますが、キノコ固有の香りと味が少なくなってしまう欠点もあり、利用目的で使い分けをしながら栽培が出来ます。

小生の庭先では、シイタケ、ナメコ、ヒラタケ、タモギタケ、マイタケ、ブナハリタケ、ムキタケ、ヌメリスギタケ、キクラゲ、ハタケシメジを栽培しております。

次回は、代表的な原木栽培である「シイタケ」を例に説明いたしましょう。

 

(常陸国住人後記)

 私も、高野さんと同じような田舎の環境で育ちました。秋が近づくと、里山に栗拾い、キノコ狩りに出かけたものです。

しかし、ある時、とってきたキノコの中に、毒キノコが入っていたのでしょう、家中で中毒してしまい、下痢をして大変でした。

それ以来、キノコ狩りはやめになってしまいました。

高野さんの紹介の中にある茨城県林業技術センターは、小生の育った隣町にあります。

ここには、植物園などとともに「キノコ博物館」があり、キノコの紹介などをしています。

 

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