このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
海外旅行記 (7) (ベネズエラ・ギアナ高地)(2) 3.エンジェルフォール エンジェルフォールを見学するには、先ずボートでカラオ河を遡ってラトンシート島に行かねばならない。 なお、山の中に島があるのは可笑しいので説明しておく。ラトンシート島は島では無い。山塊がニ手に分かれたカラオ河で囲まれているので、それで島と呼んでいるらしい。現地ガイドのホセに聞いたが要領を得ない。 当日の起床は4時、ワクロッジの出発は朝5時である。外はまだ夜が明けておらず、街灯が無いので真っ暗である。ロッジから舗装していない凹凸の多い道路をトラックに揺られながら舟着き場に、ここから約5時間のカラオ河遡上の舟旅である。 早朝のカラオ河を遡る景色は幻想的なものであった。その幾つかの例を次に紹介する。 写真11は河が浅いので我々は中州を歩いていた時に遭遇した景色である。早朝の山も森もまだ眠っていて、河だけ目が覚めているような風景である。 写真12はボート内から撮ったもので、手前に茶色に染まった躍動的なカラオ河、遠くには目が覚めたばかりのようなギアナ高地の一角が見える。山の上のブロックを積み上げたような凹凸も面白い。手前の飛沫はボートから出ているものである 。
ここから見たエンジェルフォールは写真14のように見える。まだ滝からの距離が離れているので世界最長の滝としての迫力は乏しい。更にエンジェルフォールに近づくためには島にある山を登らねばならない。かなり急な登りである。1時間半程でエンジェルフォールが目の前に飛び込んでくる岩場に着いた。
写真15はその岩場から見たエンジェルフォールである。遂に世界最長のエンジェルフォールを目の前にした。凄い迫力である。
写真17は滝の上部、写真18は滝の下部を撮影したものである。滝は幾条もの流れからスタートしているが、メインの流れは最左端のものである。この一見小さく見える流れが写真18のように末広がりになって約1000mを落下しているのである。また、下には滝壺が無いことが解る。まさに圧巻である。今回の旅行のメインイベントである。 30〜40分ほどエンジェルフォールの見学を堪能して山を下った。山を下った所で昼食である。メニューは鳥の焼肉と生野菜、それにオレンジジュースである。焼き肉は現地のおじさんが料理してくれた(写真19)。凄くワイルドな料理である。肉は全く味が付いていないので見た目ほど食欲はわかない。
ガイドのホセさん(37歳)は大喜びで河の中に入って女性達に付きまとっていた(写真21)。彼はスペイン系の人間で、ラテン系民族特有の性格から御多分に洩れず女好きである。タンニンの茶色は水着を染めることは無いらしい。 さて、昼食後1時間ほど遊んで、カラオ河を下った。帰りは雲があるものの一応好天である。
写真23も河の淀みの所で森の向こうに見える人跡未踏のギアナ高地の一角を写したものである。素晴らしい静かな自然の雄大さに心が奪われてしまう。こうした大自然の雄大さに見惚れて河を下って行くうちに突然凄い夕立が来た。南国特有のスコールである。慌てて雨具を着た。 10〜20分経つと雨は上がり、その後、素晴らしい景色にお目にかかった。それが写真24である。もう直、ワクロッジである。着いた時は真っ暗であった。夕食時のお酒は素晴らしかった景色の思い出を肴に、料理も上手かった。 4.飛行機から見たエンジェルフォール 飛行機からのエンジェルフォール見学は運が良くないと見えないそうである。当たり前の話ではあるが。従って、日にちを変えて3回飛んでくれると云う。一日目は雲が多くて見えず、二日目は雲が多いものの、雲の間からエンジェルフォールを垣間見ることが出来た。 飛行機はカナイマに来た時に乗ったのと同じ機種のおんぼろセスナ機である。飛行機に乗るのに多少不安がつのる。我々は4人一組になってセスナに乗り込み、カナイマ空港を旅立った。窓はプラスチックで、表面は傷だらけである。こんな窓を隔てて良い写真は撮れない。窓は横にスライドして開け閉めできる。パイロットに写真を撮る時に窓を開けていいかと聞いたらOKであった。試しに開けたらすごい風であった。 飛行機はやがてギアナ山塊の上に差し掛かる。正に原始の台地であった。写真25はその一例である。森に埋もれた渓谷の両側に、渓谷からの高さ1000m級の台地が広がっている。圧巻である。こうしたギアナ高地を見るだけですっかり興奮してしまった。 暫くして目的のエンジェルフォールが見えてきた。雲はあるものの滝の所にはかかっていない。しかも滝に虹が架かっている。雲間に見える、虹で色が付いた滝は“素晴らしい”の一言に尽きる。見惚れている暇はない。セスナ機と云えどもこうした近くを飛ぶと景色の移り変わりは凄く速い。窓を開けて猛烈な風に曝されながら盛んにシャッターを切った。 写真26はその1例を示したものである。 パイロットは滝に手が届くかと思える所までセスナを近づけた。“あ!ぶつかる”と思った時に急上昇である。パイロットは我々をからかっているのである。パイロットはジョークでも我々にとっては予想していない時の仕草なので肝を冷やした。でも凄い景色を見ることが出来た。滝の近くを予告せずに余りにも早く通り過ぎてしまったので写真は撮ることが出来なかった。でも、セスナ機は凄く小回りが出来ることを実感した。但し、急旋回、急上昇はおっかない。何回もやられると気持ちが悪くなる。しかし、こうしたセスナ機による空中からの見物は最高である。改めておんぼろセスナ機を見直し、感謝した。
|
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |