このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

              
              海外旅行記(7)
 

                           (ベネズエラ・ギアナ高地)(3)

5.ユリの滝

ユリの滝はワクロッジから歩きとボートでカラオ河を下って約1時間位の所にある


写真
27はカラオ河を下っている時に、同じ方向を行く舟を写したものである。鏡のような川面を滑って行く風景である。手前の水飛沫は我々が乗っている船によるものである。ボートのエンジンの音だけが聞こえる。本当に、太古からの自然の静寂の中で音を出すのが申し訳無いような気持である。

ボートを下りて山道を少し歩くとカラオ河に面した所に出る。そこにユリの滝があった。

写真28はユリの滝を写したもので、滝はカラオ河の段差で出来たものらしい。河がタンニンに染まっているだけに、滝は見る人に不気味さを与える。滝の上部が黒く、滝が茶色になった自然の造形美は見事である。

ここで私事だがハプニングが起きた。それは滝をバックに写真を撮ってもらっている時であった。写す人が “もう少し後ろに” と云うので後ろに下がったら、木の根っこにつまずいて後ろの川に落ちてしまったのである。幸い、河は浅く、流れの無い所であったので大事に至らなかった。やれやれである。
この話に今度は嬉しいおまけが付いた。それは、私はもう
1台のカメラを持っていて、それと共に川に落ちたのである。このカメラは3年ほど前に売り出されたズームレンズ付きの、当時としては結構高価なデジカメであった。そのカメラ自体が駄目になってしまったことは大変残念であった。メモリーは幸い無事であった。所が、そのカメラに保険が係っていたので帰国して賠償の手続きをしたら、かなりの金額を手にすることが出来た。この時、デジカメの市販価格は値下がりしていたので、保険金でオシャカになったデジカメより可なり良い、最新のものを手にすることが出来た。ユリの滝の見学はなんだか嬉しい思い出になってしまったようだ。

 

6.カバックの滝

カバックはカナイマからセスナで約40分、ギアナ高地の一部を越えた所にある小村である。この村の傍を流れる川を遡上した先の洞窟の中に滝がある。これがカバックの滝である。

 ギアナ高地の上を行くセスナ機からの光景は先に述べたように見事であった。標高26002700m、地面との高さ1000m近くの岩壁が織りなす人跡未踏の台地は不気味でもある。こうした景色に見とれながら間もなくカバック空港に着いた。此処の滑走路はコンクリート舗装をしていない。土をならしただけである。その割には着陸時の揺れが小さい。空港付近の藁ぶきの建屋内で荷物を預け、水着に着替えた。ここから山道を少し歩いた後は、河の中を泳いだり歩いたりしながら遡上するのだそうだ。カメラは予め防水用のものを携帯するよう指示されていた。

写真29は我々一行が川を泳いで遡上した後、河縁に上がる情景を写したものである。こうした海外旅行の経験は相当稀有なもので、忘れることの出来ない思い出になる。水はそんなに冷たくない。こうして次第に洞窟らしい所に近づいていった。

 写真30は洞窟の中に落下するカパックの滝である。洞窟の上部に穴があいていてそこから水が薄暗い洞窟の中に注ぎ込まれるのである。滝そのものは大きくない。

写真31は洞窟の中に落下している滝の下部を写したものである。この中で滝に打たれながら水遊びである。少し不気味だが面白く、得難い経験をした。

 

7.サポの滝

 サポの滝はワクロッジから対岸に渡って1時間ほど歩いた所にある。此処は滝の裏側を歩けるので、ここに来た観光客が必ず行く所である。


写真32は滝の裏側を歩きながら前方を写した時の写真である。勿論衣服は水着に着替えている。ここでもカメラは防水用のものを用いた。

写真33は滝の裏側を渡りきって、先の広場に出た時に見た滝の側面を写したものである。可なりの水量である。滝の裏側を歩いている時はこんなに水量があるとは想像出来なかった。ここでは白人の女性がビキニ姿でいるのに驚きつつ、美しい風景を堪能した。

写真34は飛行機から見たサポの滝である。滝の上方の景観は下方の滝の傍から見た荒々しさからは想像できない優しさを持っていた。

 最後にワクロッジの付近では多くの綺麗な滝を見ることが出来たのでその写真の1部を紹介する。



写真
35はワクロッジ付近の景色を上空から写したものである。この写真に写っている滝がワクロッジの庭から見えたものである。写真では見えないが、手前右にワクロッジがある。

 

8.あとがき

1) カナイマからギアナ高地・エンジェルフォール一帯の太古からの自然を、一部ではあるが見

ることが出来た。“素晴らしい”の一言に尽きる。喧騒な街から全く遊離したとも言える環境の中で、ひと時でも過ごし得たことはこの上ない幸せであった。この旅行の素晴らしさに味をしめたことが、2年後に、これも太古からの自然の中を行く “パタゴニア旅行” に参加する契機となった。なお、パタゴニアとはチリとアルゼンチン南部地方を云う。

2) 此処まで来る観光客は少ないらしく、他の旅行者とはユリの滝とサポの滝でちょっと会った程度である。エンジェルフォールやカパックの滝に行った時は他の観光客と全く会わなかった。そこに行くまでのワイルドな行程は通常の観光客に遠慮されるのであろう。正に、太古の自然が我々一行のために存在しているような錯覚を覚える。あまり多くの人が行って環境を壊して貰いたくないと云う身勝手な考えも湧いてくる。

3) 現地ガイドのホセさんは37歳独身のスペイン系の人で、我々一行の女性2人に盛んに纏わり付いていた。2人の女性も当時独身37歳の貿易関連会社に勤めている人で、英語が堪能であった。こうしたこともあって、ホセは “自分は日本に行きたい”、 “日本に行くにはどうしたら良いか”、 “誰か紹介してくれないか” とか、いや実に厚かましい話をしている。我々年配の者にはこうした話をしてこないので、話の目的は見え透いている。彼女等は適当に受け答えをしているようだ。しかし、我々が聞いていても嫌味に聞こえてこない。周りの人は面白そうに、にこにこしながら聴いている。女性に付き纏うのはやはりスペイン人特有の女好きのせいだろうか。こうした一こまも旅行の楽しさである。

4) この旅行に参加した人達とは1回/年の割合で東京に集まって会食をしている。会食の場所も結構良い所にアレンジしてくれる。添乗員も含めて7人が出席している。上記の女性2人は41歳になっている。まだ独身だそうだ。

5) 次はエクアドル・ガラパゴス編の旅行記の執筆を予定している。

 

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