このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
秩父三十四観音霊場歩き巡礼(1) はじめに 昨年(2009年)は亡き家内(敏恵2008年9月15日永眠 享年67歳)の供養のため、4月から6月に3回に分けて「四国八十八ケ寺歩き遍路」を実施し、遍路私記を表した。この時は心身共にリフレッシュすることが出来、大変すがすがしい気分になれて家内の供養の目的も果たすことが出来た。そのことを思い起こし、今年は「秩父三十四観音霊場歩き巡礼」を計画し、5月22日から26日の4泊5日で歩き巡礼を実施した。今年も昨年と同様、記念として私記を取り纏め、公表することにした。 「四国八十八カ寺歩き遍路」の場合は、歩き遍路(または巡礼)が初めてのため、遍路に至った動機、遍路の準備と計画等について述べた後、遍路道中記を表した。また人間の祈りと脳における働きについても文献を調査し、道中記の終わりに述べた。 今回は有効な巡礼となるよう、事前に「仏教の歴史における観音信仰の位置付け」や「観音霊場巡礼の起源」について調べた結果をはじめに述べ,その後に「秩父三十四観音霊場歩き巡礼道中記」を述べることにした。最後に「四国八十八ケ寺歩き遍路」と「秩父三十四観音霊場歩き巡礼」について比較し、双方の違いと考察を述べて終わりとした。 秩父三十四観音霊場の概要と歩き巡礼の準備 観音信仰と観音菩薩については、別に述べるが、現在でも観音霊場巡礼が盛んなのは、この世に住む人間の悩みを参拝によって解消することを願ってのことである。即ち、現世御利益を求めての参拝がほとんどである。しかし、実際は参拝することにより目的を達成することはあり得ない。参拝に至る過程及び参拝で祈っている時、心の癒しが出来ることが一番大切なことである。特に、観音霊場間の静寂な野山をゆっくり歩き、小鳥の鳴き声を聞きながら歩行禅で心を浄化し、霊場で参拝手法に従い読経をして、心を空にすることによって穏やかな心になり、心身共にリフレッシュすることが大きな目的と小生は考えている。従って、秩父観音霊場の全行程を歩き巡礼で計画した。 秩父三十四観音霊場配置図 1.四萬部寺 2.真福寺 3.常泉寺 4.金昌寺 5.語歌堂 6.卜雲寺 7.法長寺 8.西善寺 9.明智寺 10.大慈寺 11.常楽寺 12.野坂寺 13.慈眼寺 14.今宮坊 15.小林寺 16.西光寺 17.定林寺 18.神門寺 19.龍石寺 20.岩之上堂 21.観音堂 22.童子堂 23.音楽寺 24.法泉寺 25.久昌寺 26.円融寺 27.大渕寺 28.橋立堂 29.長泉院 30.法雲寺 31.観音院 32.法性寺 33.菊水寺 34.水潜寺 秩父三十四観音霊場は、東京池袋より約80km離れた埼玉県の秩父盆地の中に集中して存在している。鎌倉時代後期から室町時代の初期に原型が出来、江戸から短期間で巡拝出来ることから、江戸の庶民を中心に多くの人達で賑わうようになった。札所の番号は江戸方面から川越を経由して秩父盆地に入った所を一番札所とし、秩父をぐるりと巡って三十四番で結願し、川越に向かう順番になっている。徒歩総距離は約100kmで、四国八十八ケ寺歩き遍路の1,200kmの十二分の一である。一番から二十九番までの札所間は0.5〜3kmと短くて平地が多く、二十九番以降は山間部峠越えの長距離(札所間7〜18km)となる。 巡礼日程の計画に当たり、昨年の四国八十八カ寺歩き遍路の経験から平地及び午前中の歩行は5km/時間、午後及び山間部は4km/時間、参拝は20分/一寺とした。日立から一番札所までの交通機関に要する時間を考慮し、第1日目は日立から十番まで、第2日目は十一番から二十五番まで、第3日目は二十六番から三十番まで、第4日目は三十一番から三十三番まで、第5日は三十四番から日立への詳細日程を組み、出発前日の5月21日に各宿泊旅館へ電話及びメールで予約した。日程詳細は参考として最終章に記載する。結果として、計画より宿泊旅館へ1〜1.5時間ほど早く到着でき、大きな日程変更は起きなかった。 |
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