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                     秩父三十四観音霊場歩き巡礼道中記

(3)第3日目 5月24日(月)  (二十六番から三十番まで 徒歩距離23.5km)

 

◆旅館「巴川荘」から 二十六番・円融寺へ   am7:257:50 徒歩2.5km

今日は雨が上がり曇天の天候、巴川荘を725分に出発する。巴川橋を渡ってまっすぐ進む。途中で通学の小中学生に会って、お互いに元気な声で「おはよう」と挨拶を交わす。ほどなく突き当たり、大通りを右折し50m程して左折し、秩父鉄道の踏切を渡って道標に従い左に進むと、間もなく二十六番・円融寺に着く。

■<二十六番> 万松山 円融寺  臨済宗建長寺派

御本尊:聖観音菩薩 身の丈27cm 平安時代の学僧恵心僧都の作と言われている。

御詠歌:尋ね入り 結ぶ清水の岩井堂 心の垢をすすがぬはなし

 

この寺は本堂と観音堂(岩井堂)は別々で、奥の院の岩井堂は本堂から1.2kmほど山に登る必要がある。今回は本堂を参拝し、奥の院の岩井堂は省略した。本堂は江戸時代中期の建立で、正面の柱間は八間と間口が広く、奥行きが浅い建物。入母屋造りの瓦屋根で廻縁が付けられている。ここで参拝手法に従ってお参りし、納経を頂く。

円融寺本堂

 

 ◆二十六番・円融寺 から 二十七番・大渕寺へ   (am8:008:20 徒歩1.2km

二十六番・円融寺から秩父鉄道に沿って道標に従って進むと、やがて二十七番・大渕寺に着く。

 

■<二十七番> 龍河山 大渕寺  曹洞宗

御本尊:聖観音菩薩 身の丈55cm寄木造り 鎌倉末期の作

御詠歌:夏山や しげきがもとの露までも 心隔てぬ 月の影森

参道より山門に入って合掌一礼し、水屋で手を洗い、鐘楼で鐘をつく。次に本堂の前を通り、石段を上がると観音堂(月影堂)に着く。ここでローソクを灯し、線香を上げ、納札とお賽銭を納め、読経を行った。しばらくぶりに参拝作法を省略なく行った。

  

大淵寺参道と山門                          観音堂


◆二十七番・大渕寺 から 二十八番・橋立堂へ   am8:409:00 徒歩1.4km

二十七番・大渕寺を出て、秩父鉄道の踏切を渡り左折して道なりに進み、また秩父鉄道を陸橋で越える。その先は巡礼道を進み、浦山鍾乳洞入口の前を通って山道の杉林の中を進むと、二十八番・橋立堂に着いた。

 

■<二十八番> 石龍山 橋立堂  曹洞宗

御本尊:馬頭観音菩薩 身に丈28cm 鎌倉期の作と言われている

御詠歌:霧の海 たちかさなるは 雲の波 たぐいあらじと わたる橋立

高さ89mの石灰岩を背に、橋立堂は立っている。宝形造りの建物で、宝永4年(1706年)の建立。全体が朱塗りされており目立つ寺である。御本尊は秩父三十四観音霊場ただ1つの馬頭観音菩薩である。橋立堂を参拝し、少し下がって納経所へ行き納経を済ませる。納経所は橋立鍾乳洞の入場券の販売場も兼ねていたが、雨の中で参拝客及び鍾乳洞入場観光客は一人もいなかった。

   

橋立堂全景                      橋立堂前面

 ◆二十八番・橋立堂 から 二十九番・長泉院へ  am9:109:35 徒歩1.8km

二十八番・橋立堂を出て杉林の中を下り、道標に従って橋立川に架かる諸下橋を渡る。小さな集落を抜けて、なお巡礼道を進む。浦山ダムの堰堤を左手に見ながら、浦山川の諸上橋を渡る。ここから緩やかな坂道を登って左手に進むと、二十九番・長泉院に着いた。

 

■<二十九番> 笹戸山 長泉院  曹洞宗

御本尊:聖観音菩薩 身の丈55cm藤原朝時代の慈恵大師の作と言われている。

御詠歌:わけのぼり 結ぶ笹の戸押し開き 仏を拝む身こそ頼もし

本堂は19世紀前半建立した入母屋造りの左右に広がる大きな建物で、白壁には無数の千社札が貼られている。雨降りのため扉は閉められていた。雨の中でのローソクと線香の火付けに難航した。何とか読経まで済ませ、真新しい納経所に行って住職に納経を頂いた。

   

         長泉院門前の延命地蔵                      本堂

 

二十九番・長泉院 から 三十番・法雲寺へ   am9:4511:15 徒歩7.1km

二十九番・長泉院の前の道を清雲寺前を越えて千手観音道前を通り、のどかな農村風景の中を進む。30分過ぎて道標に従い右折し、秩父鉄道の踏切を渡って国道140号を進む。武州日野駅の横を過ぎた先で旧道に入り、秩父線に並行してしばらく進むと白久駅前になる。ここから道標に従って左折し、熊倉山登山口から渓谷に沿って坂を登って行くと、三十番・法雲寺に着いた。

巡礼道より見る熊倉山(1427m)

 

■<三十番> 瑞龍山 法雲寺  臨時宗建長派

御本尊:如意輪観音菩薩 唐の玄宗皇帝の作と言われている。

御詠歌:一心に南無観音と唱うれば 慈悲ふか谷の誓い頼もし

参道の両側の林の中を石段を20段登ると、美しい池のある庭園の前の本堂に着く。納経所の前より横に進み、40段石段を上がり観音堂に着く。観音堂は江戸時代初期の建立で、朱塗りの美しいお堂である。観音堂で参拝作法に従い参拝し、本堂に戻り納経所で墨書と朱印を頂く。住職に昼飯の場所を教えて頂いた。

   

法雲寺本堂                      観音堂

◆三十番・法雲寺 から 宿泊地「両神荘」へ am1125pm:20 徒歩10km)  

三十番・法雲寺から白久駅前まで下り、右折して秩父線に沿って三峰口駅前まで移動し、食堂「福島屋」に入る。リュックを下して雨具を脱ぎ、休息を取る。
「福島屋」の女将は大変親切な人で、秩父観音巡礼の話をしながら、おでんとビールを頂く。その後、美味しい蕎麦を食べる。約
1時間程休んだ後、「福島屋」を出発する。500mほど進んで荒川を渡り、国道140号に出て、すぐに贄川方面の道に入る。贄川は江戸時代の秩父往還の宿場であり、多少その面影がある。
ここから道なりに両神方面に歩くが、車道なるも車は通らず、雨の中を約
1時間、一人静かに道の駅・両神温泉まで進む。そして食堂を出て2時間10分ほど歩いて、宿泊地・かんぽの宿「両神荘」に着いた。入館の手続き後、自室に入り衣類を着替え、靴の吸水対策を済ませた。その後、温泉で入浴して疲労を癒した。入浴中に地元の宿泊客から明日の巡礼道の様子を聞き、参考になった。

 

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